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宝塚記念 レース回顧

 2017年6月25日(日) 3回阪神8日 中央競馬の上半期を締め括る第58回 宝塚記念(G1)が行われました。中心は1.4倍という断然の1番人気に支持されたキタサンブラック。大阪杯、天皇賞春、そしてこのレースに勝てば春の中長距離G1完全制覇の偉業を達成すると共に、2億円の褒賞金を手に入れるところでしたが、結果は9着と惨敗。優勝は昨年の香港ヴァーズ(G1)でハイランドリールを負かしたサトノクラウン(美浦・堀厩舎)でした。それではレースラップです。

2:11.4(12.5 – 11.1 – 11.6 – 13.1 – 12.3 – 11.7 – 11.6 – 11.8 – 11.7 – 11.8 – 12.2)

 ポイントは5ハロン目の12秒3。2コーナーで13秒1とガクッとペースが落ちましたが、向正面に入ったところでサトノクラウンが外からポジションを押し上げていきました。結果的に残り1200mの地点から11秒台のラップが続く超ロングスパート戦となり、前を行くシュヴァルグラン、シャケトラ、キタサンブラックには厳しい展開となりました。さて、1度前にプレッシャーをかけながら、その後は無理をすることなく脚を溜める競馬をさせたM.デムーロ騎手がにくい。そして、その指示に見事に応えたサトノクラウンが素晴らしい。4コーナーの手応えは抜群。そこからの伸びは見ての通り。

 ゴールドアクターはサトノの動きに惑わされることなく、じっくりと中団をキープ。横山典騎手のうまい判断で4コーナーでは内へ。直線に入ってからも稍重馬場を苦にすることなく伸びてきて、勝ち馬と同じ上がり35秒4はレース最速。当初からこのレースを春の最大目標としていただけにデキも良かったですね。ミッキークイーンは出たなりで後方から。結果的に展開が向くこととなり、直線は外から脚を伸ばしてきました。シャケトラはこのペースで先行して一旦は先頭に立ち、ラストも渋太く粘り込んで4着ですから強い競馬だったと思います。

 キタサンブラックは確かに厳しい展開でしたが、この馬の能力を考えれば対応できたはず。コンディションは天皇賞春がピークだったとはいえ、悪くはありませんでした。ただ、レースでの動きは春2戦と比べると冴えがなかったです。ローテーション、展開、馬場など色々なことが少しずつ積み重なっての敗戦かなと。

 終わってみれば①天皇賞春をパスした馬、前走がG1で大敗した馬(言い換えると無理をしなかった馬)。②中団~後方で脚を溜めた馬。③G1勝ちの実績がある馬。以上が1~3着馬の共通点。個人的にはキタサンブラックの敗戦以外は納得できる結果でした。

text by 小林  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。