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エルムS レース回顧

 2017年8月13日(日)1回札幌6日11R 第22回エルムステークス(G3)。岩田康誠ジョッキーが騎乗したロンドンタウン(牧田和弥厩舎)が従来のJRAレコードである1分41秒7をコンマ8秒上回る時計で優勝。同馬は初めてのJRA重賞勝ち。テン乗りとなった岩田康誠騎手は今年のJRA重賞4勝目。牧田和弥調教師は昨年のダイヤモンドS以来となるJRA重賞2勝目となりました。それではレースラップです。

レコード1:40.9(6.8 – 10.6 – 11.8 – 12.3 – 11.9 – 11.6 – 11.7 – 11.8 – 12.4)

 前日の札幌は稍重スタート。最終的には不良馬場まで悪化しました。そして重賞当日は一日中、重馬場でレースが行われました。2Rの3歳未勝利から1分43秒9と速い決着。7Rの3歳500万下で1分42秒7。これはレース前からレコード決着になるかも知れないといった高速馬場。結果的に見えると先行、内枠有利。例年、先行馬が強いレースですが、後ろの組にはノーチャンスでしたね。

 勝ったロンドンタウンは1700m1分45秒5と持ち時計はありませんでしたが、そもそも1700mは3歳時に良馬場で2回走っただけ。過去に東京1600mを1分34秒8で走っており、スピード競馬に対応できる下地は持っていました。レースでは内枠を生かして、終始好位のインで手応え良く追走。直線半ばで前2頭の外に持ち出すと悠々差し切りました。着差以上に強かったです。鞍上の岩田騎手は2008年、2012年、2014年、2015年に続いてエルムステークス5勝目。このレースを知り尽くしているといえるでしょう。

 2着には単勝1.5倍と断然人気に支持されたテイエムジンソクが入りました。内のドリームキラリが何が何でもハナへというレースをしたので、こちらは無理をせず2番手から。ギリギリまで追い出しを我慢しましたが、前をいくドリームキラリが渋太く、ゴール寸前でなんとか交わして入線。これは結果論ですが、もう少し強気にいった方が良かったかもしれません。3着はそのドリームキラリ。手応え以上に粘り強いレースぶり。怪我から復帰したばかりですが、三浦皇成騎手は乗れていますね。

 コスモカナディアンが前とは離された4着。道中は中団で勝ち馬の後ろを追走。内をロスなく回ってきましたが、勝負どころで勝ち馬に離され気味。4コーナーで外へ出して直線はジリジリでした。ショウナンアポロンは最速の上がり35秒1で5着。レースは最後方から淡々と。ただし、コーナーをうまく切り抜けて直線は大外へ。枠順、展開を考えるとよく走っています。

 2番人気のピオネロはスタートが今ひとつ。道中は後方外め。内にリーゼントロックがいて、勝負どころで前のクリノが下がってきた時に、それ以上は外を回すこともできず、位置取りが悪くなってしまいました。同じ後ろからのレースにしてもショウナンアポロンとは対照的。力を出し切れず消化不良でした。3番人気のモンドクラッセは10着。1700mの持ち時計はメンバー1位。高速馬場はプラスに出ると思っていました。この枠ですから位置取りは仕方ないですが、勝負どころの反応が鈍く、早々と脱落してしまいました。鉄砲実績は豊富でしたし、大型馬だけにマイナス12㎏の馬体でも細くは映りませんでしたが、当週の追い切りが物足りなかったのは事実。今回はデキが本当ではなかったのかもしれません。

text by 小林 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。