西日受け、鮮やかに輝く

 

 2018年1月6日(土)1回中山1日目11R第67回中山金杯(GⅢ)は単勝1番人気に支持されたセダブリランテス(父ディープブリランテ×母シルクユニバーサル)が優勝。昨年7月のGⅢラジオNIKKEI賞に続くJRA重賞2勝目を挙げました。デビューから5戦目での中山金杯優勝は史上最少のキャリア。管理する手塚貴久調教師、そして戸崎圭太騎手にとっても2018年の最高のスタートになりました。

 

中央競馬の開幕初日。第1Rの前に恒例の新春大鏡開きが行われた(写真は中山競馬場での様子)

 

それでは京増TMにレースを振り返ってもらいましょう。

【パドック】

 セダブリランテスはレースを使う毎に馬体から緩さがなくなり、良くなっていますね。陣営の思惑通りの成長曲線を描いている印象。ウインブライトは当日、プラス10キロと発表されましたが、まったく太目感のない造り。すべて成長分でしょう。逞しさが増し、本格化してきています。本命を打ったダイワキャグニーは相変わらずパドックではうるさい面を見せていましたが、この程度は許容範囲。いい状態だったと思います。

 

勝ち時計 1分59秒8(晴れ・良)

前半5F → 後半5F 61秒5 → 58秒3

12.3 – 11.0 – 13.2 – 12.3 – 12.7 – 11.3 – 11.7 – 11.5 – 11.6 – 12.2

【展開・ペース】

 序盤はトーセンマタコイヤが先導し、前半5F通過は61秒5。ヤマカツエースが勝った16年(62秒3)ほどは緩みませんでしたが、過去の中山金杯と比較しても落ち着いた流れに。1000m標識の手前からマイネルミラノが動いて、12秒7→11秒3と一気にペースアップしました。

 

 

【レース分析】

 勝ったセダブリランテスはスタートから積極的に動いて2番手に取りつきました。向正面でマイネルミラノがスパートしても慌てず、騒がず、自分のリズムを守って追走。まだキャリアが浅い分、ペースが上がった際にスッと反応できず、直線に向いたところでは一旦、ウインブライトに前に出られましたが、最後は力でねじ伏せるように接戦を制しました。まだこれがデビューから5戦目。敗れたのは挫跖の影響で予定していたセントライト記念を使えず、レース間隔が開いて出走したアルゼンチン共和国杯だけ。成長の余地を十分に残しており、今後の活躍が楽しみですね。

「状態は凄く良かったので自信を持って乗りました。3~4コーナーではフラつくようなところがありましたが、直線に向いたら渋太く伸びてくれました。今年はリーディングに向けて頑張りたいですね」と語った戸崎騎手は初日だけで金杯を含む3勝。まさに最高の滑り出しとなりました。

 

セダブリランテスの4代血統表 ディープインパクト産駒の兄モンドインテロは1800~2600mまで幅広い距離で結果を出している

 

 ②着は勝ち馬と同じく、4歳のウインブライト。最内枠を生かし、好位のインに収まり、理想的なレース運び。直線は内から一旦抜け出しましたが、最後は僅かに後れを取ってクビ差の惜敗。この着差だけに、勝ち馬との1キロのハンデ差が微妙に影響したように思います。

 ストレンジクォークは道中は後方馬群の内目で脚をタメて追走。4コーナーから徐々に外へ持ち出すと、直線は際どいところまで追い上げてクビ+クビ差の3着。重賞でも能力が通用することを証明しました

 ブラックバゴは外を回って追い上げる距離ロスがありながらメンバー最速となる上がり3F33秒8をマークして④着。ペースを考えても一番中身の濃いレースをしていますから、次走は狙い目でしょうね。

 期待したダイワキャグニーは3〜4コーナーで思ったほどスピードに乗っていけず。右回りは今ひとつなんでしょうか。ゲートで少しうるさく、道中は折り合いを重視し、中団を進みましたが、もし前2走のような先行策を取れていれば結果は違ったかも知れません。

text by 京増真臣/構成 藤原

 

~来年も使えるデータ~

 09年以降、中山金杯の勝ち馬10頭中9頭は前走より重い斤量を背負っており、②着馬も5頭、③着馬6頭もこれに該当。ハンデキャッパーに実力を認められ、斤量が増えた馬が狙い目となる。

 

 

 ※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

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