願いを形に GⅠ獲りへ好発進

 2017年9月24日(日)4回中山7日目11R第63回オールカマー(GⅡ)は、単勝5番人気に支持されたルージュバック(父マンハッタンカフェ×母ジンジャーパンチ)が優勝。管理するのは大竹正博調教師。鞍上の北村宏司騎手は初コンビでしたが、直線では逃げ馬の内を突き、勝利に導きました。ルージュバックはヴィクトリアマイル以来の実戦でしたが、この秋のGⅠタイトル獲得へ向けて最高のスタートを切りましたね。

レースを振り返ってみましょう。

勝ち時計 2分13秒8

前・後半4F 50秒646秒1

12.8 – 11.7 – 13.2 – 12.9 – 12.5 – 12.5 – 12.1 – 11.3- 11.2- 11.6- 12.0

 大方の予想通り、ハナを切ったのはマイネルミラノ。ゆったりとした流れを作り出し、前半1000m通過は63秒1。ショウナンパンドラが差し切った15年が同60秒8、ゴールドアクターが勝った16年が同59秒9ですから、これはかなり遅いペース。マイネルミラノは残り4F地点で11秒3と速いラップを刻んで後続を振り切り、大きなリードを取って直線へ。早目に仕掛けた分だけ残り1Fで脚いろは鈍りましたが、4着と健闘。大いにレースを盛り上げました。

 本命に期待したモンドインテロはさすがに位置取りが後ろ過ぎたのが応えて9着。机上では上がり3F33秒0の脚を使わなければ届かない計算。戦前、瞬発力勝負にはしたくないマイネルミラノが平均ペースで馬群を引っ張ると考えて予想を組み立てましたが、今回は自分自身の展開の読みが甘かったですね。

 流れを考慮するとルージュバックは好スタートを決め、いつもより前で運んだことが勝因のひとつ。4コーナーでは外へ持ち出す際にマイネルディーンの進路を妨害してしまいましたが、これを除けば直線で冷静に逃げたマイネルミラノの内を突くなど北村宏司騎手の好騎乗が光りました。積極的に立ち回る形からしっかり脚を使えた点も収穫。改めて能力を示したルージュバック。この秋は悲願のGI制覇を期待したいですね。

 2着ステファノスも前を射程圏に入れながら運び、勝ちパターンかと思えましたが、外を回った分だけルージュバックとはコース取りの差が出てしまいましたね。2戦2敗だった2200mで連対を確保したのは立派ですが、14年の富士S以来、長らく勝ち星から遠ざかっているように、今回も勝利まであと一歩が足りませんでした。

 タンタアレグリアは、休み明けで本調子手前の印象は受けましたが、しっかり脚を伸ばして3着。4コーナーでは不利を受けた馬が外に膨れ、これを交わす際に少しロスがありましたが、次走が楽しみになる好内容でした。

text by 京増真臣/構成・藤原

 
 

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