鮮やかに逃走 いざGⅠ舞台へ

 2017年10月14日(土)4回東京4日目11R第65回府中牝馬S(GⅡ)は、単勝5番人気に支持されたクロコスミア(父ステイゴールド×母デヴェロッペ)が優勝。管理するのは西浦勝一調教師。主導権を握ると、マイペースの逃げに持ち込み、最後はヴィブロスの追撃を凌ぎ切りました。この勝利により、11月12日に京都競馬場で行われるエリザベス女王杯の優先出走権を獲得しました。

 ちなみに当日版に掲載したコラム「データから推す」で注目馬として挙げていたのがクロコスミアでした。コラムの内容を少し紹介すると、

《前年ローズS連対馬》

 ローズSは07年から阪神外回り芝1800mで施行されるように。連対馬が翌年、4歳時に府中牝馬Sに出走した際の成績は[2・1・2・2]。回りは違えど、直線の長いコースが舞台で互換性は高いようだ。特にローズS②着馬は[2・0・1・0]と好走確実!?

 昨年のローズS②着はご存知の通り、クロコスミア。是非、来年まで覚えておきたいデータですね。

 

 ここから京増TMによるレース回顧です。

勝ち時計 1分48秒1

前・後半4F 49秒2 46秒2

12.9 – 11.6 – 12.3 – 12.7 – 12.4 – 12.5 – 11.2 – 11.0- 11.5

 本紙予想で◎を打ったクロコスミアが好スタートから同型もおらずスンナリとハナへ。前半1000m通過が61秒9というスローペースに持ち込んで展開の恩恵はありましたが、直線で仕掛けられると、スッと反応していましたし、上がり3F33秒7でまとめて鮮やかな逃げ切り勝ち。

 今日は春以来の実戦だったアドマイヤリードヴィブロスより斤量が2キロ軽く、夏に使っていた分、仕上がりの差はありましたが、前走あたりから本格化してきた印象。「4コーナーから後続を離してどこまで粘れるかと思っていました。最後まで踏ん張れたし、段々と成長している」と岩田騎手。GⅠホース3頭を負かしたわけですから地力強化目覚ましいですね。

 ②着ヴィブロスは勝ち馬に逃げ切りを許したものの、内枠を利して上手なレースはできましたし、休み明けでこれが帰国緒戦だった点を考えれば、上々の滑り出しと言っていいでしょう。馬体重は430キロ台と、以前より成長。「いい瞬発力を見せてくれたし、次は大きなチャンスがあると思う」と今回、初めて手綱を取ったルメール騎手もその資質を絶賛。

 アドマイヤリードは、このスローペースでは絶望的といえる4コーナー13番手。さらに、直線半ばまで馬群の中で包まれてしまいました。外へ持ち出し、前が開いてから正味1Fだけの競馬でしたが、それで③着は立派の一言。GⅠ馬の底力を、改めて見せつけましたね。

 text by 京増真臣/構成・藤原

 ※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。
 
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