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札幌記念 レース回顧

6歳夏、札幌で開花宣言

 2017年8月20日(日)2回札幌2日目11R第53回札幌記念(GⅡ)は、単勝6番人気のサクラアンプルール(父キングカメハメハ×母サクラメガ)が優勝。管理する美浦・金成貴史調教師はこれがJRA平地重賞初勝利。鞍上は蛯名正義騎手でした。半兄はサクラメガワンダー。重賞を4勝し、6歳時の宝塚記念で②着と息の長い活躍を見せた兄を超えられるのか今後の走りに注目が集まるところですね。また今年の札幌記念は4頭出走したキングカメハメハ産駒が①②③⑤着。ペースが遅く、同産駒らしい機動力と立ち回りのうまさが生きたレースだったと思います。

レースを振り返ってみましょう。

勝ち時計 2分00秒4

前・後半5F 60秒759秒7

12.7 – 11.0 – 11.7 – 13.0 – 12.3 – 12.1 – 11.9 – 11.9 – 11.8 – 12.0

 今年は前半5F通過が60秒7。同じく良馬場で施行された14年が58秒4、15年が58秒9ですからペースはスロー。逃げたロードヴァンドールが残り1F標識を過ぎて甘くなったのは意外でしたが、終始内ラチ沿いの経済コースを進み、直線で外へ持ち出したナリタハリケーンが2着だったように、上手に立ち回ってコーナー毎の距離ロスが小さかった面々が上位を占めました。

 勝ったサクラアンプルールは過去のレースを見ても、序盤から力まずに走れると終いは必ずいい脚を使うタイプ。2月の中山記念では内を突いて伸びたように器用さも備えています。大阪杯は遠征の影響か前半から掛かって前へ行って良さが出ず、前走の函館記念は道悪と大外枠が祟りました。最内枠を引き当てた今回は中団のインで折り合って追走。3コーナー付近から前を行くヤマカツエースを追うように進出を開始。直線半ばでヤマカツエースを交わし、迫る後続の追撃も完封しました。早目に動いて1番人気を競り負かしての勝利は立派です。
 
 ナリタハリケーンは先ほども述べたように経済コースを進めたのが好走要因。また巴賞で3着に食い込み、函館記念でもマズマズの伸びを見せたように洋芝も合うのでしょう。中央場所に起用される次走が試金石になると思います。
 
 ヤマカツエースはペースを考慮し、早目にスパートしましたが、いつものシャープな伸びが見られずに3着。このあたりは久々の影響があったということでしょうか。4着サウンズオブアースは久しぶりの2000mでしたが、上手に流れに乗れていました。直線では多少加速するのに手間取りましたが、ヤマカツエースに半馬身差まで迫ってゴール。叩かれたことで次走は前進が見込めます。エアスピネルは直線入り口で先頭に立ちかけましたが、そこから伸びあぐねて5着。折り合いがついてレースの形自体は良かったと思います。この1戦だけで距離が敗因と決めつけるのは早計。続けて2000mに使われてから判断したいところ。モレイラ騎手が騎乗したマウントロブソンはスタート後に接触したのが響いて8着。ただ、力を出し切っておらず、今回に関しては参考外と考えていいでしょう。
 
text by 藤原
 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。