開幕初日の府中に衝撃走る

 2017年10月7日(土)4回東京1日目11R第3回サウジアラビアロイヤルC(GⅢ)は、単勝2番人気に支持されたダノンプレミアム(父ディープインパクト×母インディアナギャル)が優勝。ディープインパクト産駒のJRA重賞制覇は7月9日の七夕賞を勝ったゼーヴィント以来。僅か3カ月間、重賞を勝っていないだけでも「随分と期間が開いたな」と思われる種牡馬もディープインパクトだけでしょうね。管理するのは中内田充正調教師。今年は既に勝ち星が30勝を超えているように大活躍。特に川田騎手とのコンビで最も勝ち鞍を積み上げており、勝率、連対率も高い数字を残しています。

それではレースを振り返ってみましょう。

【パドック】 1番人気のステルヴィオは気合が乗ってキビキビと周回。対して2番人気のダノンプレミアムは初東上でも落ち着いていました。馬体重はプラス6キロでも太目感はなく、いい仕上がりに映りました。ホッカイドウ競馬から参戦したダブルシャープはチャカチャカするのはいつものことで気になりませんでしたが、かなり汗をかいていました。このあたりは長距離輸送の影響があったように思います。

勝ち時計 1分33秒0

前・後半4F 46秒146秒9

12.3 – 10.6 – 11.4 – 11.8 – 12.2 – 11.5 – 11.5 – 11.7

【展開・ペース】 内のダノンプレミアム、外のスターリバーを制してハクサンフエロが主導権を握りました。前半3F通過は34秒3。良馬場で施行された15年が同34秒7、稍重だった昨年が35秒0。今年は稍重発表の馬場を考慮しますと、かなり速いペースでした。

 勝ったダノンプレミアムはそんな速い流れを2番手追走。直線に向いて残り400m標識の地点で逃げるハクサンフエロを捉えて先頭。少し頭の高いフォームですが、大トビでダイナミックなフォーム。抜け出してからも遊んだりせずラスト2Fを11秒5→11秒7でまとめて完勝。しかも2歳コースレコードのおまけつき。

 「賢い馬で課題らしい課題はありません」とはレース後の川田騎手の談話。初めての左回りに難なく対応し、先行して抜け出したように取り口も安定。厳しい流れを押し切ったように底力も備えており、GⅠ制覇も期待できる素材だと思います。

 ②着はステルヴィオ「外枠は厳しかった。それにスタートしてからいい位置を取れなかった」とルメール騎手が語ったように現状だとマイルの流れは忙しいようです。それでも、メンバー中、最速となる上がりをマークし、後方から0秒3差まで詰め寄ってきました。連勝は途切れましたが、非凡な性能は証明した形。距離を延ばした方がスムーズにレースを運べそうで、今後、2000mを使ってきた際はどんなレースをするのか注目です。
 
 好位の後ろで脚をタメていたカーボナードが③着。直線に入るといい脚を使いましたが、ダノンプレミアムとの差はなかなか詰まらず。今回のところは上位2頭には完敗ですが、13番枠からのスタートでも、折り合って運べたのは収穫。初勝利時に比べると大人になったなという印象で着実に成長を遂げています。

 札幌2歳でも見せ場を作り、4番人気に推されたダブルシャープは⑥着。レース序盤に内から寄られたこともあってエキサイトしましたかね。今回は鞍上が行きたがるのを抑えるのにかなり苦労していました。それでも、直線は内から渋太く伸びて②着からは0秒3差。レコードが飛び出すような時計の出る馬場でも、大きく崩れなかった点も評価。この敗戦は必ずや今後の糧になるでしょう。輸送にも慣れてくるはずで今後も遠征してくればマークが必要です。

text by 藤原

 
 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。