競馬 研究ニュース

エリザベス女王杯 レース回顧

第42回 エリザベス女王杯(G1)

 優勝したのは秋華賞3着からの挑戦で、5番人気に支持されたモズカッチャンでした。ローズSからコンビを組むM.デムーロ騎手は今年5つめのG1タイトル。まさに優勝請負人といったところ。そして、管理する鮫島一歩調教師、生産者の目黒牧場さんのG1初制覇の夢を叶えることとなったのです。私はグリーンチャネルでの観戦。レース後、目黒忠法さんの「感無量です」のコメントには思わず目頭が熱くなりました。ハービンジャー産駒は秋華賞のディアドラに続いて2つめのG1勝ち。勢いがありますね。それではレースラップです。

2:14.3(12.5 – 11.3 – 12.7 – 12.8 – 12.7 – 12.8 – 12.9 – 12.2 – 11.6 – 11.2 – 11.6)

 前開催で道悪競馬が続いたこともあって時計がかかる馬場でした。それにしても、前日の比叡S(1600万下)が2分13秒9でしたし、2分14秒3は2200mになった1996年以降の良馬場で、ダンスパートナーが勝った第21回と並ぶ最も遅い決着となりました。図を見ても分かるように中盤は12秒台後半が並ぶ緩い流れ。ラストから2ハロン目が11秒2とレース最速ラップとなり、瞬発力が問われる形となりました。キーワードは馬場、瞬発力といったところでしょうか。それと、この速い上がりですから前で運んだ方が有利でしたし、枠順も結果を左右した感じ。

 モズカッチャンは残り800mのところで既に前を射程圏に入れていました。手応えも抜群。終始ロスなく立ち回って、直線でもスムーズに前が開きました。先に抜け出したクロコスミアを捕まえたところでゴール。枠、展開、馬場とレース運びの巧さを発揮できる条件が整っていましたね。鞍上も前走を教訓とした騎乗。勝つべくして勝ったレースだったかなと。

 クロコスミアは出足が良く、そのままハナを切るかと思われましたが、内からきたクインズミラーグロを先に行かせて2番手で我慢。序盤は頭を上げるなど少し行きたがっていましたが、向正面に入る頃にはうまく折り合いをつけるができました。直線で一旦は完全に抜け出しながら、ゴール寸前で差されて2着。逃げ馬が垂れるのがちょっと速かったですかね。惜しかったです。

 ミッキークイーンは中団の後ろで折り合いに専念。いつでも外に出せる位置で、4コーナーでは大外を回って直線へ。上がりはレース最速タイの33秒7。グイグイ伸びてきてクビ、アタマ差まで詰め寄りました。勝ち馬と一緒でこういった馬場は得意ですし、力のある馬ですが、今日はコース取りの差が非常に大きかったです。それにしても休み明けからしっかりと走る馬ですね。

 マキシマムドパリは外枠でしたが、テンに仕掛けて3番手に納まりました。前2頭からは離れており、マイペースで折り合いもスムーズ。最もペースが緩んだ12秒9の箇所で前に詰め寄り、直線では一旦2番手に上がるなど、うまいレースをしています。ただ、この流れでは決め手の差が出てしまいました。1番人気のヴィブロスも同じような競馬。ただ、こちらは無理をしたわけではありませんが、ガッチリとハミが掛かってしまいました。前に馬を置きたくても置けず、そうこうするうちに位置取りのアドバンテージも生かせず……。最後も止まってはいませんが、結果的に中途半端なレースになったことは否めません。

 リスグラシューは出遅れもありましたが、行く気もなく後方から。インでロスなく運べましたが、逆に勝負どころでは動くに動けない形。直線は進路を探しながら伸びてきましたが、レースが難しいタイプであるのは相変わらず。ルージュバックはこの枠ですから前走のように位置を取ることもできず、直線で外に出してからは伸びていますが9着まで。ディアドラは4角でほぼ最後方。この速い上がりでは厳しかったです。

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。