競馬 研究ニュース

根岸S レース回顧

府中で見る夢の続き

 

 2018年1月28日(日)1回東京2日目11R第32回根岸ステークス(GⅢ)は単勝6番人気に支持されたノンコノユメ(父トワイニング×母ノンコ)が優勝。1分21秒5という勝ちタイムはコースレコードでした。強烈な末脚を武器に3歳時にはJpnⅠジャパンダートダービーを制し、翌年はGⅠフェブラリーSで②着に好走したノンコノユメ。去勢後はなかなか結果が出ずにいましたが、そんな雌伏の時を経て見事に復活。管理するのは加藤征弘調教師。内田博幸ジョッキーは昨年4月のダービー卿チャレンジトロフィー以来となるJRA重賞勝利となりました。

 

 

それでは京増TMにレースを振り返ってもらいましょう。

【パドック】

 ノンコノユメはプラス10キロ。去勢後では最高となる体重でしたが、体をフックラと見せていました。牡馬とすれば小柄な方ですから、これはいい傾向。サンライズノヴァは、いかにもダート馬という逞しい馬体の造り。脚取りもパワフルで上々の気配でした。根岸S連覇を狙うカフジテイクは、プラス10キロの馬体重。少し立派に見えましたから、これは次のフェブラリーSを見据えた仕上げでしたかね。

勝ち時計 1分21秒5(晴れ・重)

前半5F → 後半5F 33秒9 → 35秒8

12.3 – 10.6 – 11.0 – 11.8 – 12.1 – 11.7 – 12.0

 

【展開・ペース】

 レースは本命を打ったサイタスリーレッドラブバレットブラゾンドゥリスを制してハナを奪いましたが、前半3ハロン通過は33秒9。これはコース改修が行われた04年以降でも最も速いペースでした。展開が厳しかったのは確かだですが、粘りを欠いてシンガリ負けでしたからね。結果的に本命に推すには、ふさわしくなかったと思います。申し訳ありません。

【レース分析】

 勝ったノンコノユメは、いつも通り後方待機。デビュー以来、初めての1400m起用でしたが、ペースに戸惑うような感じはありませんでした。直線で追い上げ体勢に入ると、最後はサンライズノヴァとの激しい叩き合いを制して15年の武蔵野ステークス以来の勝利。マークした上がり3ハロンは何と34秒2。別定戦で58キロの斤量を背負ってこれだけの脚を使えたわけですから、展開が向いた面はありますが、改めて地力の高さを示した格好。

レース後、内田博幸騎手は「脚抜きのいい馬場でしたが、まさかコースレコードが出るとは思いませんでしたよ。4コーナー手前から慌てずに行き脚をつけて、砂を被らないように上がっていきました。直線は素晴らしい伸びでした。この勝利が(復調の)キッカケになるといいですね。(フェブラリーSが行われる)1600mの方がゆったりと運べるし、次もこの馬らしい追い込みができれば」とコメント。新たなパートナーを迎え、いい形でフェブラリーSへ向かいます。

 

ノンコノユメの4代血統表

 

 サンライズノヴァは中団を追走。直線で外へ持ち出されると鋭く伸びて残り1ハロン付近で一旦は抜け出して、中身の濃い②着。ゴールドアリュール産駒で武蔵野Sでは⑫着と人気を裏切るなどムラな面はありますが、[3・1・0・1]と東京コースは合っていますね。

 ③着は昨年の覇者カフジテイク。パドックの項でも述べたように馬体増もあってか、昨年ほどのパフォーマンスを発揮することはできませんでしたが、勝ち馬にに次ぐ上がり3ハロン34秒4をマーク。今日は従来のレコードを更新する時計で走った上位2頭を褒めるべきでしょう。

 南関東・浦和から参戦したブルドッグボスが⑤着。積極的に4番手を進み、直線では首位争いを演じるなど見せ場十分。降雪の影響で普段調整を行っている浦和競馬場、野田トレセンが使用できず、船橋競馬場に輸送して追い切るなど誤算がありながらもこれだけ走れたのは立派の一語。9Rセントポーリア賞ではホッカイドウ競馬に所属するハッピーグリンが勝利を収めるなど、この日は地方の雄がレースを盛り上げましたね

text by 京増真臣/構成 藤原

 

  

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