歌うように軽やかに駆けた9F

 

 2018年3月17日(土)2回中山7日目11R第32回フラワーC(GⅢ)は単勝2番人気に支持されたカンタービレ(父ディープインパクト×母シャンロッサ)が優勝。鞍上は前走に引き続き騎乗したM.デムーロ騎手でした。生産は浦河の三嶋牧場。馬主は昨年の菊花賞馬キセキのオーナーでも知られる石川達絵さん。管理する角居勝彦調教師、フラワーCで真っ先に思い出されるのは05年の優勝馬シーザリオという方も多いはず。フラワーCを勝ち、その後、日米オークス制覇を成し遂げた厩舎の先輩に続く活躍が期待されます。

 

それではレースを京増TMに振り返ってもらいましょう。

 

勝ち時計 1.49.2(晴・良)

前半3F → 中盤3F → 後半3F 36.8 → 36.9 → 35.5 (Sペース)

12.6 – 11.8 – 12.4 – 12.6 – 12.1 – 12.2 – 11.8 – 11.5 – 12.2

【展開・ペース】

 内のノームコアメサルティムを制してモルフェオルフェが1コーナーでハナを奪取。隊列が決まってからは12.4→12.6とペースが緩み、1000m通過は61.5。流れは遅く、差しタイプや外を回らされた馬には厳しい展開に。

 

直線半ばで抜け出したカンタービレが先頭でゴール!

 

【レース分析】

 カンタービレは中6週とレース間隔が開いていながらもマイナス6キロ(当日は428キロ)と馬体を減らしたのは誤算だったはず。それでも、均整の取れた造りで、返し馬も柔軟性に富んだフットワーク。ディープインパクト産駒らしい品が感じられた。スタートはあまり良くなかったものの、ジワっとポジションを取りに行って5番手。道中は折り合いをつけながら、勝負どころで進出を開始。4コーナーでスムーズに外へ持ち出されると、抜け出して先頭。最後はトーセンブレスに迫られたが、坂を上がってからは着差がほとんど詰まらず、クビ差でも完勝だった。

「前走の勝ち方が良かったので自信を持って乗りました。今日は落ち着いていたし、スタートが良くていいポジションにつけられました。4コーナーもスムーズ。今日のように落ち着きがあれば距離はもう少し長くても大丈夫だと思います」とM.デムーロ騎手。管理する角居師は「マイナス6キロでも思ったより減っていました。次走に関しては未定。ひと息入れる予定です」と慎重なコメント。将来のことも考え、無理をせずにひとつひとつキャリアを重ねていってもらいたい。

 

カンタービレ4代血統表

 

 ②着トーセンブレスは阪神JF以来の実戦でも、キッチリと仕上がっていたし、何よりもテンションが上がっていなかったことが好走につながった印象。スタートは敢えて積極的に出さず、後方で折り合いに専念。直線はメンバー最速の上がりを駆使し、改めて能力の高さを示した形。本紙予想で本命を打っていた分、馬券的にも勝っていれば最高だったが、しっかりと賞金を加算することに成功。復帰緒戦をいい形で終えられた。

 ノームコアは半年間の休養で馬体がひと回り成長。スローペースを2番手で運ぶ理想的な形だったが、結果的にディープインパクト産駒(①②着とも同産駒)の決め手に屈した格好。

 最下位に敗れたロックディスタウンはスタートで他馬と接触して、しばらく行きたがっていたが、ここまで負けてしまうとは。気性の危うさがモロに出てしまったのか?半姉のキャットコインはデビューから3連勝を飾るも、その後は勝ち星を挙げられず。何とか立ち直って、また本来の走りを見せてほしい。

text by 京増真臣/構成 藤原

パドックでのカンタービレ(Photo by yu~kun)

 

 

  

 ※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

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