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第61回 阪神牝馬S 回顧

1:34.8(12.9 – 12.0 – 12.3 – 11.9 – 11.9 – 11.0 – 11.1 – 11.7)

 メインレースの頃には良馬場まで回復していましたが、土曜日は稍重スタートだったように少し時計のかかる馬場ではありました。ただ、同じ1600mで行われた6R 3歳500万:1分34秒5、9R 4歳以上1000万:1分34秒1と比べると平凡。前半3ハロンが37秒2とマイル重賞としては超スロー。後半45秒7─33秒8と上がりの競馬になりました。当然、レースとしては前有利。行った行ったの決着でした。

 勝ったミスパンテールは好スタートから迷わずハナへ。本紙の展開文「逃げ馬不在で、どの馬がハナを切っても押し出される形。当然、ペースは上がらず、道中のコース取りが最大のポイントに」の通りとなりました。さすがは横山典騎手、ベテランの味。2番手でレースを運んだレッドアヴァンセとの叩き合いを制して重賞3連勝を果たしました。1947年の皐月賞、オークスを勝ち、日本ダービー2着で顕彰馬にもなったトキツカゼに連なる由緒ある牝系。三代母ウメノシルバーは、1999年のオークス馬ウメノファイバーの祖母にあたります。

ミスパンテール血統表

 レッドアヴァンセは休み明けでしたが、仕上がり良好。準オープンを勝ち上がったばかりでしたが、2016年の秋華賞5着、ダイアナヘイローを破ってエルフィンS勝ちなど通用する下地はありました。また、このレースは過去10年で準オープン勝ち上がり組が(4.2.2.27)と好成績を挙げています。ですが、今回の上位2頭の最大の勝因は、やはり展開でしょう。

 1番人気のリスグラシューは3着。道中は中団で折り合いに専念。上がり33秒3はレース2位でしたが、直線に向いてもすぐには前が開かず、今日の展開ではここまで。タイム差なしの3着は負けて強しでしょう。やはり、マイルの距離では切れますね。コンマ1秒差で4着に入ったのがアドマイヤリード。少し力んだ走りでしたが、位置取りとしては悪くない感じ。ただ、直線で前が開いた時にジュールポレールに先に入られて狭くなり、追い出しが遅れました。この馬も強い競馬をしています。

 ジュールポレールは好位につけて、直線もレッドアヴァンセの外に出すと前2頭に並びかける勢い。ただ、そこから甘くなってしまいました。ゴール前では内外から挟まれて立ち上がる不利がありましたが、スムーズでも着順は変わらなかったでしょう。さて、問題のソウルスターリングです。仕上がりは悪くありませんでした。アオり気味のスタートで序盤は中団後方からでしたが、2ハロン標を過ぎたあたりで上がっていった場面でも決して無理をしているようには見えませんでしたし、3番手の外を追走していた4角の手応えも悪くありませんでした。ただ、そこからもどかしいほど伸びず。「直線で反応したけど、ラスト200mくらいで止まってしまった。休み明けだったし、あまり瞬発力勝負は良くないのかも」とはルメール騎手の弁。休み明けで56㎏を背負っていたとはいえ、ちょっと心配になる負け方です。

text by 小林  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。