2月9日に東京競馬場で行われた第70回GⅢ東京新聞杯(芝1600m・4歳以上・別定)はプリモシーン(単勝4番人気)がゴール前で鮮やかに差し切って優勝。GⅢフェアリーS、GⅢ関屋記念に続く自身3つめの重賞タイトルを獲得した。鞍上は今回が初めての騎乗となるM.デムーロ騎手。管理するのは美浦・木村哲也調教師。プリモシーンは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)シルクレーシング。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 レースは大方の予想通り、モルフェオルフェがハナを奪取。4ハロン通過46秒3という淀みのない流れだったが、他の馬がこれを深追いしなかったことで3、4コーナーでは2番手との間に大きなスペースが生じた。2番手以降はゆったりとした流れ。直線に向いてからは瞬発力比べに。結果としてインを回った馬が上位を独占した

 

見事、立て直しに成功したプリモシーン(撮影:yu~kun)

 

【レース分析】 プリモシーンは、いくらか体に余裕はあったものの、⑪着に敗れたGⅠマイルCSのあと、立て直されたことで気力は充実。トレセンに帰厩後は丹念に追い切りを消化。陣営の調整が実った印象だ。レースはスタートを決めたことが勝因のひとつ。最内枠から6番手のいいポジションを取れた。4コーナーではスムーズに外へ。このあたりはM.デムーロ騎手の好騎乗も光った。それでも、牡馬相手に56キロを背負って勝つのだから、やはり能力は高い

 

 

「凄く手応えが良かったので、道中から自信を持って乗れました。内枠で流れは完璧。いつも最後は切れる脚を使ってくれる馬で強かったですね。以前からずっと乗りたかった馬で能力は高いと思っていました。勝てて嬉しいです」M.デムーロ騎手。

 

 

 シャドウディーヴァは3歳の頃より体が引き締まり中身が伴ってきた。暖かくなれば、もっと体調の方も良くなってくるはずだ。不安を吹き飛ばし、初めてマイルに対応できたことは収穫。牡馬相手にこれだけ走れば立派と言える。この結果ならGⅠヴィクトリアマイルでもチャンスはありそうだ。本命に推したクリノガウディーは落ち着きがあって好仕上がり。13番枠だったが、好スタートを決めてスッと内に入れた横山典弘騎手の手綱捌きには痺れた。直線も内を突き、一旦は先頭に立つシーンを作ったが、今日に関しては上位の牝馬2頭の瞬発力が上だった

 2番人気に推されたヴァンドギャルドは出遅れて後手に回ったのが影響して⑥着。1番人気のレッドヴェイロンは⑨着。「硬い馬場で進み具合も良くなかったですね。最後は伸びていますが、もう少し軟らかい馬場の方が合っています」と騎乗したC.ルメール騎手。返し馬で躓くなど馬場を気にしたか。こちらも見直しが必要になる。

 

                                 text by 京増 真臣

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・1勝クラスから3連勝中だったヴァンドギャルドが⑥着に敗れ、前走3勝クラスを勝ったシャドウディーヴァが②着。3勝クラス組は前走で勝っていれば狙えると修正したい。OP特別組、GⅢ組に関しては取捨の基準は上記通りで良さそう。問題はGⅠマイルCS組が①③着に好走した点。来年以降は同組を割り引くことは避けたい。

〇枠順・・・勝ったプリモシーンは1枠1番。やはり内枠優勢。

 


 
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