3月6日に中山競馬場で行われた第16回GⅢオーシャンS(芝1200m・4歳以上・別定・晴れ・稍重馬場)はコントラチェック(単勝11番人気)が優勝。騎乗した丸山元気騎手、管理する美浦・藤沢和雄調教師とも当レースは初勝利。この結果、勝ったコントラチェックはGⅠ高松宮記念の優先出走権を獲得した。コントラチェックは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は㈲キャロットファーム

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 ビアンフェが自然体でハナを奪い、カレンモエコントラチェックが続く形。前半3ハロン通過は33秒7。過去を振り返りますと、道悪でも前半3ハロンが33秒台前半の速いペースとなることも珍しくはないオーシャンS。この日の芝は前日の雨が残って稍重発表でしたが、その点を考慮しても決して速い流れではなく、結果は前で運んだ3頭が①~③着に好走しました。

 

 

 

ゴールの瞬間まで諦めずに駆けた

【レース分析】 コントラチェック(単勝11番人気)はGⅢシルクロードS以来、中4週での出走。間隔をしっかり取って出走させることが多かった馬。間隔が詰まり、中間は坂路、コース併用で非常に熱心な攻め過程。これだけ攻められたのは5歳を迎え、精神的にも肉体的にも一段階、大人になっていたからこそ。当日は体が6キロ増え、パドックを落ち着いて周回。レースは前回と違い、スタートを決めると鞍上と呼吸を合わせ、リズム良く先行。直線に向くとカレンモエとの叩き合いを僅かに制しました。4歳以降は走ることに集中できない感じで結果が出なかったコントラチェック。初めての1200m起用となったラピスラズリSは直線で前が塞がったのですが、そこから盛り返すように伸びました。距離短縮がカンフル剤となって諦めずに走る気持ちが甦り、その分だけ今回、ゴール地点でハナだけグイッと前に出たのだと推察できます。もともと重賞を2勝していたように高性能。今回は展開利があった点は否めませんが、心身とも噛み合った今なら大舞台でも軽く扱うのは危険でしょう。

「位置取りは気にせずに、馬がリラックスして走れるところがいいと思っていました。スタートを出てくれたので、無理せずにこの馬のリズムでいきました。1200mでリズム良く運べれば終いは脚を使ってくれると思っていたので、勝てて良かったです。相手は強くなりますが、馬場状態などがマッチすればいい走りができると思います。また乗れるチャンスがあればいい結果を出したいです」とレース後に丸山騎手がコメント

 

コントラチェックの4代血統表

 

上昇が期待できるカレンモエ

 ②着はカレンモエ(単勝1番人気)父ロードカナロア、母カレンチャンという安田隆行厩舎所属でGⅠ制覇を成し遂げた珠玉の配合。中山コースには初登場でしたが、パドックではイレ込むようなこともなく、のびのびと周回。レースは僅かにハナ差だけ敗れてしまいましたが、着差の開きづらい平均ペースの中で、③着馬を0秒2離した点は立派。2、3勝クラスを勝ったのは叩き2走目。前哨戦をいい形で走り切り、本番での走りが楽しみになりましたね

 逃げたビアンフェ(単勝6番人気)が③着。馬体重はマイナス12キロでしたが、これは去勢した分。自然体でハナを奪取。終始、1馬身ほどリードを保って進み、前半3ハロン通過は33秒7。これは失速したGⅠスプリンターズSよりも1秒程度遅く、いいペースでしたね。カレンモエコントラチェックに交わされてからも大きくはバテずに踏ん張りました。好位のインで上手に脚をタメていた馬が④、⑤着馬。2番人気に支持されたアルピニズムはゲートの出がゆっくりで後手。内枠でしたから周りを囲まれ、身動きが取りづらく、今回に関しては力を出し切れませんでした。

 

 

 

                          

text by 藤原 有貴

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・連対馬の前走を見ると、勝ち馬はGⅢで⑪着(0秒7差)、②着馬はGⅢ②着(0秒1差)。ともに連対条件を満たしていた。

〇馬齢・・・例年通り、結果を残している5歳馬がワンツーを決めた

〇前走馬体重・・・連対した2頭の前走時の馬体重は474キロ、464キロとともに460キロを超える体重だった。反面、前走時、460キロ未満だった2頭は2桁着順に沈んでいる。

 

 

 

《オーシャンS 2016-20》

 

 


 
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