3月21日(月曜)に中山競馬場で行われた第36回GⅢフラワーC(芝1800m・3歳・牝馬・別定・晴れ・良馬場)はスタニングローズ(単勝2番人気)が粘る②着馬をきっちりと捉えて優勝。騎乗した川田将雅騎手はフラワーC初勝利。管理する栗東・高野友和調教師は2017年ファンディーナ以来、当レース2勝目となりました。スタニングローズは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)サンデーレーシング。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 先行すると思われたパーソナルハイとダイムのスタートが今ひとつ。コルベイユが難なくハナに立ち、半マイル通過は49秒1のスローペース。残り2ハロン地点までは、その後のラップに大きな変化もなく、先行した馬、馬場の内を通った組に有利な展開となまりました。
好枠を生かせたスタニングローズ
【レース分析】 勝ったスタニングローズ(単勝2番人気)もスタートがひと息でしたが、好枠を利して難なくインの3番手に収まり、道中の折り合いもスムーズ。まったくロスのないのレース運びから直線でもしっかりと脚を伸ばして、先に抜け出した②着馬をゴール前できっちりと捉えました。
「あまりいいスタートではなかったですが、枠が良かったので、すぐにリカバリーできました。その後もリズム良く我慢しながら、いい内容で運べたと思います。馬体が良くなっていて、パドックで跨った時から成長を感じるくらいでした。未勝利を勝った時に重賞クラスに辿りつく馬だと感じていましたから、こうして重賞を勝つことができて何よりです。今後も彼女のペースで、成長が伴ってくればと思います」とレース後に川田将雅騎手はコメント。2歳時は牡馬相手の重賞で、末脚を生かす形なら常に健闘していましたから、今年に入って自己条件、牝馬限定のGⅢを連勝は実績通りの結果。桜花賞へ進めば緩みのない流れの方が更に良さが出る可能性がありますし、左回りの新潟、東京でのレースぶりから、オークスに向けても、ここで賞金を加算できたことは大きいですね。
②着ニシノラブソング(9番人気)は好スタートを決め、積極的に2番手につけた鞍上の好判断が最大の好走因。ただ、馬もそれに反抗することなくレースを進めて、4コーナーでの手応えは勝ち馬よりも良かったくらい。モタれる面を見せたりしたデビュー当初に比べると気性面の成長が大きく、前走でマイルのGⅢを経験したことも今回に向けての糧となったようです。③着が1番人気に支持されたシンティレーション。『馬場が合いませんでした。敗因はそこに尽きます。直線で馬場のいいところに出したらジリジリ伸びてくれましたから、これから成長してくれればと思います』と横山武史騎手はコメント。実際、上位馬とは内、外の通ったところの差が大きかった印象ですし、勝負どころでの反応に関してはキャリア、完成度の差が出た感じがしました。ゴール前の伸びが素質の一端と考えていいでしょう。
④着ダイム(8番人気)は体重減、スタートの出遅れで想定外の位置取りになったことを考えれば評価できる内容。自分が◎にした⑦着キタサンシュガー(6番人気)も他馬と接触するなど、スムーズなレースができませんでしたから、ともに自己条件の1勝クラスやオークスのトライアルに出走してきた際は、改めてマークが必要だと考えています。
text by 五十嵐 友二
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。