1月30日(日曜)に東京競馬場で行われた第36回GⅢ根岸S(ダ1400m・4歳以上・別定・曇り・良馬場)はテイエムサウスダン(単勝6番人気)が中団から鋭く抜け出して優勝。騎乗した岩田康誠騎手は08年ワイルドワンダー、09年フェラーリピサに続き根岸Sは3勝目。しかも、JRA通算1,700勝のメモリアルVとなった。管理する栗東・飯田雄三調教師は当レース初勝利。この結果、テイエムサウスダンはGⅠフェブラリーSの優先出走権を獲得した。テイエムサウスダンは北海道新ひだか町グランド牧場の生産馬。馬主は竹園正さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

▲レース動画はコチラをクリック

 

【展開・ペース】 戦前はハイペースでの競り合いが予想されましたが、ジャスティンが好スタートを決め、逆にリアンヴェリテの行き脚が今ひとつだったこともあり、早めに1頭で馬群を引っ張る形になって前半3ハロン34秒4は当初の想定よりは緩めの流れ。地力を問われる消耗戦にはならず、純粋な1400mへの適性の高さ、スピードが求められるような展開となりました。

 

 

距離適性の高さを武器にV奪取

【レース分析】 テイエムサウスダン(単勝6番人気)は今回がJRAでの重賞初勝利でもダートグレード競走では4勝を挙げており、しかもそのすべてが1400m。10キロ増の馬体も太くは見えず、レースでは中団の内めにつけて3~4コーナーで馬群の中に進路を取り、残り150mあたりで鞍上が本格的に追い出すと力強く伸びて抜け出し、そのまま後続の追撃も振り切りました。

 

テイエムサウスダンの4代血統表

 

「10キロ増を少し心配しましたが、結果的に問題なかったですね。馬込みにもしっかり対応して結果を出してくれましたし、前走の競馬がしっかりと役立っていたようです。1年前くらいは使うとトモに疲れるが残る馬でしたが、今は筋肉痛も出ませんし、体質面も強化されています。2走前の武蔵野Sは落鉄もしていましたからね。折り合いひとつでフェブラリーSの条件も克服可能ではないでしょうか」とレース後に飯田雄三調教師は愛馬の成長と次走への展望についてコメント。好位追走から失速した昨年の当レース⑬着時よりレベルUPしていたことは間違いないですし、次走に向けてのポイントはやはり1ハロンの距離延長と相手強化への対応になるでしょう。

 

 

脚質に進境を示したヘリオス

 ②着ヘリオス(4番人気)は逃げる形で2連勝中でしたが、昨年の当レース⑧着が好位追走から馬群の内を突いて進路がなく、脚を余して0秒6差でしたから、鞍上が控える競馬を選択したのも納得。力を出し切った印象で、自在性も証明するレースぶりでした。③着タガノビューティー(2番人気)は序盤で少し不利がありましたが、脚質的に影響はなく、いつも通りの後方待機策。直線で鋭く伸びた時は突き抜けそうな勢いでしたが、最後は少し甘くなって、脚の使い方が難しい面を覗かせました。結果的にテン乗りの影響があったようにも思います。

 

 

 ④着ジャスティン(12番人気)は身上のスピードをフルに発揮して、最後もバッタリとは止まっていませんが、やはりベストは1200mでしょう。適条件のGⅢなら地力上位といえます。⑤着オメガレインボーは(3番人気)馬群の内で手応え十分。直線でもスムーズに前を捌ければ弾けそうでしたが、少し進路を変えるようなシーンがありました。枠順的に仕方ありませんが、外に出す競馬ができていれば、結果は違ったかもしれません。

 自分が当日版の紙面で◎にしたタイムフライヤー(7番人気)は⑥着。スタートの出遅れは上手に挽回していましたが、エンジンをかけたいところで③着馬と重なるような形になり、前をカットされたことが惜しまれます。最後は伸びていましたから、1ハロン延びるフェブラリーSに使ってきた場合もシルシは打とうと考えています。1番人気で馬群の中から伸び切れなかった⑨着ソリストサンダーも、今回は休み明けでしたから、本番で評価を下げるのは危険でしょう。

 

 

 

 

 

 

             text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走距離・・・勝ち馬、②着馬とも前走が1400m。しかも、近年は結果が出ていなかった園田と東京が舞台だった。データ的に消しの2頭でのワンツー。来年は取捨の条件を抜本的に見直したい。

〇前走時期・・・勝ち馬は前走が前年12月。②着馬は前年11月。前走が同年1月だった馬はいずれも掲示板外に敗れた。

 

 

 

《根岸S 2017-21》

 

 

 

 

研究ニュースネット新聞の紙面がご覧いただけます!
下記リンクをクリック
 
 
研究ニュースネット新聞ご購入はコチラをクリック!
 
 

 
 
※記事中の写真は競馬ブックネットSHOPで販売中!
詳しくは写真かチラをクリック!
 
記事中の写真・紙面の無断転載、複製禁止