11月5日(土曜)に東京競馬場で行われた第58回GⅡ京王杯2歳S(芝1400m・2歳・馬齢重量・晴れ・良馬場)はオオバンブルマイが優勝。騎乗した横山武史騎手、管理する栗東・吉村圭司調教師とも京王杯2歳Sは初勝利。オオバンブルマイは北海道日高郡新ひだか町サンデーヒルズの生産馬。馬主は岡浩二さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 前走と違い、互角のスタートを切ったフロムダスクが先手を主張。他馬は競り合いを避けたようで早めに隊列が決まり、前半3ハロンが34秒6に対し、上がりは34秒5と典型的なイーブンペース。今の時計の速い東京芝コース、頭数の揃った1400mで、この流れだと外を回る差しタイプは分が悪く、先行力か馬群の内で立ち回れる機動力の有無、そして枠順も明暗を分ける要因になりました

 

 

【レース分析】 勝ったオオバンブルマイ(単勝10番人気)は初戦が水準レベルの走破時計、そして減量騎手での勝利。そのため自分もあまり高く評価はしていませんでしたが、好位のインで折り合いをつけて、直線を向いてから抜け出しを図る戦法は前回とまったく同じ。前が壁になって外に持ち出すことになった反面、うまく脚がたまっていた印象もありますが、とにかくセンスのいい立ち回りが目を引きました。

 

▲パドックを歩くオオバンブルマイ(撮影:yu~kun)

 

 「人気はありませんでしたが、前走が新馬戦としては凄くいい勝ち方で、斤量が増えても立ち回り次第でチャンスはあると思っていました。この枠でも内の位置を取れればいいなと考えていましたが、うまく入ることができましたし、ポジションを取ってからは馬も落ち着いて、あとは周りのことよりも自身がリズム良く走らせることを心掛けました。体の小さな馬なので、早仕掛けにならないように気をつけていましたが、動くのを待たされたことも結果的には良かったですね。(GⅠで)距離が1ハロン延びる点は未知数ですが、小さいのに根性がありますし、これから体が成長すれば、もっとやれると思います。期待しています」とレース後に横山武史騎手はコメント。手替わりでも騎乗馬のことをしっかりと把握し、持ち味を存分に発揮した鞍上の手腕が光りましたが、馬も混戦に強そうなタイプだけに、更に相手が強くなっても侮れない、そんな印象を受けました。

 

オオバンブルマイの4代血統表

 

 ②着フロムダスク(11番人気)は前走では失敗したスタートが改善され、初戦と同様にスピードを生かす競馬ができたことが最大の好走要因。ただ、当日は適度に馬体が絞れ、直前の坂路調教で好タイムが出ていたように、状態も一段、上がっていたように見えました。こちらは勝ち馬以上に、今後はスタミナ面の強化がポイントになりそうですが、攻め駆けする馬は能力を秘めているという教訓を思い出しました。③着スピードオブライト(5番人気)は初戦の後半4ハロンが加速ラップだったことを考えれば、結果的には納得の好走ですが、距離が1ハロン延びても外枠から2番手でスムーズに折り合えた点が印象的。勝ち馬と同様、センスの良さを感じました。ただ、最後に②着馬を交わせなかったところを見ると、本質的にスプリンター色が濃いタイプであることも確かでしょう。

 

 

 そして④着が当日版の紙面で◎にしていたペースセッティング(2番人気)。序盤に少しゴチャつき、若さを出す感じでも、初戦のレースぶりから控える競馬でも大丈夫、と見ていましたが、直線を向いた時の手応えは今ひとつ。それでも、最後まで脚を伸ばしていましたし、上位馬とは通ったコース取りの差もありましたから、能力が重賞級の評価は変わりありません。⑤着ヤクシマ(3番人気)は12キロ増の馬体が太く映り、枠なりに外を回る競馬になったこともあって、前2走ほどは切れる脚を使えなかった印象。体が絞れて折り合いもつけば、巻き返しは十分に可能でしょう。一方、1番人気で⑭着のロンドンタウンは気性的に危うい部分もあると考えて▲にしていましたが、レース後に故障も判明したとのこと。勿論、素質は高いですから、早期の戦列復帰を望みたいところです。他ではスタートで後手を踏み、先行した初戦とは違う競馬でも、直線で伸び脚が目についた⑧着エナジーチャイム(4番人気)を、次走以降の注目馬として挙げておきます。

 

 

 

   text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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