3月30日(土曜)に中山競馬場で第56回GⅢダービー卿チャレンジトロフィー(芝1600m・4歳以上・ハンデ・晴れ・稍重馬場)が行われた。優勝したのは単勝2番人気に支持されたパラレルヴィジョン。管理する美浦・国枝栄調教師は当レース4勝目。騎乗した戸崎圭太騎手は通算3勝目となった。パラレルヴィジョンは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)キャロットファーム。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 掛かり気味に途中でハナを奪ったのがエエヤン。後続を引き離して暴走?しているのかと思いきや、前半800m通過は46秒8。後半のそれが46秒1だったわけですからスローに近い平均ペースでした。
【レース分析】 パラレルヴィジョン(2番人気)はマイナス16キロと体が絞れ、脚取りも軽快そのもの。上々の仕上がりでした。好スタートを決め、エエヤンを行かせて離れた2番手を追走。ペースを考慮すると絶好のポジショニング。直線は計ったように差し切って重賞初制覇。ダートに使われたり、紆余曲折はありましたが、マイルの流れがピタリと合って好結果を残すことができました。本格化ムードが漂い、今後が楽しみですね。
「いい位置で運べましたし、途中から前に目標を切り替えて運びました。追ってからの反応も良かったです。中間の稽古の感触も良かったですし、馬体重はマイナス16キロでしたが、すっきり見せていい感じでした。凄く乗りやすい馬で、今日もゲートだけ気をつけて運びました。ここにきて精神的に落ち着きが出てきたのがレースにつながっている印象ですし、今後も楽しみです」とレース後に戸崎圭太騎手はコメント。デビューから連勝し、ジャスティンパレスが制した神戸新聞杯では1番人気に支持された好素材。重賞制覇は遅過ぎたほどで、マイラーとして今後の更なる飛躍が期待されます。
▲パラレルヴィジョンの4代血統表
エエヤン(8番人気)はいくらかうるさい面を見せていましたが、テンションは上がり過ぎず、我慢できていました。2番手以下を引き離していても、ペースはそれほど速くはなく、後続を翻弄するような逃げが打てました。ただ、今回に関しては勝ち馬が一枚上でしたね。3勝を挙げる中山マイルで、復調のきっかけは掴めた印象ですが、気性は激しく、今日は展開の恩恵もありました。まだ半信半疑な面が残ります。アスクコンナモンダ(5番人気)は馬体をスカッと見せて好気配。スタートで接触して後方待機。岩田望騎手らしい、インを狙った競馬でしたが、エエヤンの大逃げによって2番手以下はスローペース。今回に関しては位置取りの差も出ました。
ニシノスーベニア(3番人気)は体の張りが良く、テンションも上がっておらず、前回以上のデキでした。4コーナー、直線とやや窮屈な場面がありながらゴール寸前は目立つ伸び脚を見せて④着。近況の充実ぶりなら、今後、重賞でもチャンスがありそうだね。ダディーズビビット(12番人気)はテンションが上がらず、キビキビと活気十分。最内枠を生かしてソツのないレースができましたし、キャリアを重ねて折り合いもつくようになっていますね。もうワンパンチが利きませんでしたが、距離にメドの立つ内容でした。クルゼイロドスル(6番人気)は体が締まり、仕上がりは良かったですね。折り合いを欠く不安もあって、ポジションを取りにいけず。外枠が悪い方に出てしまいました。展開も向かず、すべてが噛み合わなかった印象。見直しが必要です。
text by 京増 真臣
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