第111回 京都記念(G2)
優勝は4番人気のディープスカイ産駒クリンチャー。同産駒は2017年アンタレスSを勝ったモルトベーネ以来2頭目のJRA重賞勝ち。芝では初めての重賞勝ちとなりました。馬主は前田幸治さん。生産者は平山牧場さん。おめでとうございます。藤岡佑介騎手はこの日だけで4勝。現在リーティング上位に名を連ねており、好調ですね。それではレースラップへ。
2:16.3(12.5 – 11.5 – 13.3 – 13.0 – 12.7 – 12.6 – 12.2 – 12.2 – 12.2 – 11.8 – 12.3)
この日の馬場は重馬場。平均で3秒ぐらい時計がかかっていました。走破時計2分16秒3は過去10年で2番目(2016年の2分17秒7に次ぐ)に遅い数字で、上がり36秒3も同様。かなりタフな馬場だったと言えるでしょう。レースは最初のコーナーで流れが落ち着きましたが、残り1000mからは馬場を考えると締まった流れ。速い上がりは必要なく、一定のスピードを維持する力とスタミナが物を言った感じ。
クリンチャーは極悪馬場の菊花賞で2着。当然、馬場適性はありました。「外からレイデオロが来ているのが分かったから内を進むことを決めました」とは藤岡佑介騎手。勝負どころで有力馬が外から上がっていった時も内でジッと我慢をして、直線は荒れた内を避けて馬場の中ほどへ。冷静でしたね。馬場、展開、進路とうまく噛み合いましたが、ラップ的に優秀だった昨年の皐月賞で0秒3差4着。素質開花と見るのが妥当ではないでしょうか。クラシックの借りを返しての優勝。お見事です。
古馬陣が手薄だったとはいえ、4歳馬が1~4着を独占。層の厚さを示しました。アルアインは1コーナーで頭を上げる場面もありましたが、すぐにミッキーの後ろで折り合いがつきました。その後は向正面で外から先に行ったレイデオロをマークする形。ラストはレイデオロとの追い比べを制して2着。最後に外にモタれたのは休み明けの分もあるでしょう。年明けの滑り出しとしては上々の内容です。
レイデオロはレース前からいつも以上にテンションが高く、パドックでは最後尾を歩いていました。スタートはアオッて後方。ペースが落ち着いたところで抑えるのに苦労する感じで外から上がっていって、4コーナーでは先団の外。結果的に道中でのスタミナのロスが最後に響きました。お世辞にもうまくいったとは言えないレース運びで3着ですから、やはり力があります。
道中はレイデオロを見ながら進んでいたモズカッチャンは、3~4コーナーでうまく内に潜り込み、直線はラチ沿いを通って一瞬やったかと思いました。この馬も休み明けでしたし、2着とはクビ、ハナ差。後続には2馬身差をつけていますから力は示した格好。よくM.デムーロ騎手の騎乗が評価されますが、それはこの馬の自在性があってこそでしょう。
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。