ひとり勝負レースGP(仮)

曜の狙い目~

藤原編集員が頭を悩ませ、選りすぐった

週末、馬券になりそうな狙い馬を紹介します。

 

2月12(日) 東京  12R 

4歳以上2勝クラス(ダ1,400m)

 

◎  9  スプラウティング

 

 先週火曜は船橋競馬場へ。お目当てはメインレースのJRA2勝クラスの馬が出走する交流競走ハートビートレイン。JRAからは大挙7頭が参戦。コロナ禍による制限もかなり緩和されてJRAジョッキーも4名が騎乗と段々、以前の姿に戻りつつあるのが嬉しい。いつも通り、場内に入ると多数のドリンクを取り扱うマリリン船さんへ。ウイスキーのお湯割りで体を温め、グルメをつまみつつレース結果に一喜一憂。グルッと見渡すと沢山のお客さん、耳を澄ませば活気に満ちた声、声。競馬場は騒がしいぐらいでちょうどいい。

いよいよメインレースの出走馬がパドックに登場してきた。その中でひと際、目立つ馬がいた。黒光りする漆黒の馬体。メリハリのある体の線。慌てて新聞に目を落とすと馬名はクラーベドラド。すぐにピンと来た。母はクラーベセクレタ。そう船橋・川島正行厩舎に所属し、牝馬ながら羽田盃、東京ダービーを制したあのクラーベセクレタだ。思わず、「クラーベセクレタの仔が船橋に来たのか」と独り言を呟く。すると『お兄さん詳しいねえ』と隣の昭和ダンディーに声をかけられた。洒落た山高帽?を被り、口ヒゲを蓄えたダンディーは長らく南関東の競馬を見続けてきたとのこと。単勝1倍台に支持された牝馬が東京ダービーを勝つなんてもうないかもなあ・・・中央のミラクルレジェンドが憎たらしいぐらい強かったんだよ!などなどその後は昔話に花が咲く。

 

▲ナイター照明に照らされてピカピカと輝くクラーベドラド

 

『クラーベセクレタの仔が船橋に来たんだから応援しないわけにはいかないよ』とダンディー。とはいえ、前走の中京戦でクラーベドラドはいいところなく、⑪着に惨敗を喫してしまっており、当日の単勝オッズは30倍である。正直、気配の良さは認めても、半信半疑な僕に『母ちゃんの故郷に来て張り切らないやつはいないよ』とダンディー。今思えば、少し無茶な理屈だが、何だかその一言で僕までその気になって単勝を購入したのである。

レースは現役時代の母を彷彿とさせるような積極策。痺れるような手応えで4コーナーを回ると直線で力強く抜け出そうとする。しかし、そう簡単にはいかない。全日本2歳優駿でも健闘した元JRA3勝クラスタイセイアゲインが物凄い勢いで追い上げてきて外から馬体を併せてきたのだ。明らかに脚勢はタイセイアゲインの方が良く、交わされるかと思われた次の瞬間、クラーベドラドが目覚めたように反応!そこから息を吹き返したように伸びるというのか、驚異的な渋太さを見せて交わさせることなく、グイッと前に出てゴール。「母ちゃん見てるか!?」クラーベドラドが言ったかどうかは分からないが、鮮やか過ぎる一変劇に大興奮!ふと周りを見渡すと遠くに先程のダンディーの姿を発見。ダンディーもそれに気づいたのかこちらを見てサムズアップで応える。その姿が無茶苦茶格好良かった。このあとの最終レースでもクラーベセクレタ同様、現役時代に川島正行厩舎に所属し、ロジータ記念などを制したエミーズパラダイスの仔エミーズミツオーが勝利。単勝オッズは何と42.5倍!恐らく偶然なのだろうが、そんな夜もある。そんな夜もあるから競馬場は、競馬は楽しいものだと再確認したのであった。

 

▲クラーベドラドの単勝を獲ってはしゃぐ人

 

前置きが長くなったが、日曜日に買いたいのは東京12Rに出走する⑨スプラウティング西園正都厩舎&石橋脩騎手のコンビはあの根岸S、➃着で悔しい思いをしたタガノビューティーと同じ。昇級緒戦の前走はオーバーペースで飛ばした逃げ馬を積極的に追いかけながら一旦は2番手に浮上。最後は差し・追い込み勢に飲み込まれたが、素晴らしいレース内容だった。速い持ちタイムはないが、脚質的に水分を含んだ走りやすいダートは合うはず。仕上がりも良く、自分のペースで先行できれば押し切るシーンがあっていい。

 

 

券 種 買 い 目
単 勝
3連複(1頭軸流し) ⑨-③⑥⑦⑧⑫⑬(15点)

 

 

 

藤原 有貴

藤原 有貴

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