第156回 天皇賞(秋)(GI)

2分08秒3(雨・不良)

13.2 – 12.5 – 12.9 – 12.5 – 13.1 – 13.0 – 12.4 – 12.0 – 12.7 – 14.0

 1着のキタサンブラックは、スタートでゲートに突進し、痛恨の出遅れ。しかし、そこからのリカバリーのうまさは、さすが武豊ジョッキー。4コーナーではインから差を詰めて、直線は馬場の外目に持ち出しながら一気に先頭へ。最後の1Fは14秒0と、さすがに脚いろが鈍りましたが、サトノクラウンの追撃を振り切って春秋天皇賞制覇を達成。

 距離ロスは抑えられましたが、あれだけ馬場の悪くなった内を通って追い上げたキタサンブラック。脚を使わされて消耗したはずですが、それでも辛抱できるんですからは本当に強い馬。1番人気に騎乗しながら安全策で外を回らず、内を突いて勝負に出た武豊騎手。レース後のインタビューでは「最高のデキだと感じた。馬場はこなしてくれると思ったし、自信があった。ジャパンCでは日本代表として頑張りたい」とこたえていました。宝塚記念での惨敗からキッチリと立て直した厩舎力にも脱帽。ただ、これだけの走りを見せたわけですから、この後の反動が懸念されるところ。出走を予定しているジャパンCでどのような印を打つのか迷わされます。

 サトノクラウンは正攻法のレース運びから立派な②着。直線ではキタサンブラックに完全に前に出られましたが、最後まで渋太く脚を伸ばし、クビ差まで迫ったところがゴール。M.デムーロ騎手はレース後、「他の馬が馬場を苦にしていた中でも、最後まで頑張って走ってくれたと思う。勝ち馬が止まらなかった。仕方ない。残念です」とコメント。道悪巧者のサトノクラウンですら、ノメッて脚を取られるような馬場でしたが、集中力を切らさずに走れたことは精神面の成長を示すものでしょう。

 3着レインボーラインは1、2着馬の後を追うように4コーナーで内目を押し上げ、見せ場十分のレースぶり。「一瞬やったと思いました。内目をうまく立ち回って力が出せましたし、道悪でも大丈夫。状態も良かったです」という岩田騎手のコメントからもわかる通り、父はステイゴールドでこういった馬場も向いていたんでしょうね。

 ◎を打ったソウルスターリングは、4コーナーでポジションを下げ、直線入り口では前に入られてスムーズさを欠く感じに。それに、外を回るロスもありました。何にせよ、キャリアの浅い3歳牝馬に、今回の馬場は厳しかった印象。ジェンティルドンナ、ダイワスカーレットなどの名牝に肩を並べられるだけの存在だと思いますが、その評価が正しいかどうかは、次走以降に持ち越しですね。

 

 

 

第52回 京都大賞典(GII)

2分23秒0(晴れ・良)

12.9 – 11.0 – 11.7 – 12.2 – 12.1 – 12.1 – 12.4 – 12.5 – 11.7 – 11.5 – 11.4 – 11.5

 一旦は完全に抜け出して、岩田騎手もやったと思ったであろうトーセンバジル。道中は好位のイン。仕掛けのタイミングもバッチリでしたが、勝ち馬の決め手が一枚上でした。それでも、前でレースができたことは収穫でしたね。シュヴァルグランは強かったです。スタート後に挟まれて後方からになりましたが、12秒5とラップが緩む坂の登りでワンテンポ早めに仕掛けて、前との差を詰めたM.デムーロ騎手はさすが。そのまま3角の下りから馬群の外を進出していきましたが、手応えは十分で、決して無理はしていませんでした。内を回った上位2頭とは対照的な競馬。僅かに及びませんでしたが、内容的には負けて強し。

 重賞初勝利を期待されて2番人気に支持されたサウンズオブアースは13着。スタートで外の馬と接触する不利。そこから外へ誘導したのは位置を取りたかったからでしょうか。中団でレースを進めて、勝負どころではシュヴァルグランに蓋をされるような感じで直線へ。ただ、追い出してからも反応は悪く、最後は鞍上も諦めて流していたようなので結果的には大敗という形に。

 

 

 

第65回 神戸新聞杯(GII)

2分24秒6(晴れ・良)

12.9 – 11.8 – 12.2 – 12.4 – 12.1 – 12.3 – 12.3 – 12.2 – 11.9 – 11.3 – 11.4 – 11.8

 例年と比べると、1コーナーまでの入りがかなり緩いですが、そこから道中は12秒前半のラップが並んで締まった流れになりました。勝ち時計はレコードの2009年、2分24秒4の2014年に次ぐ過去10年で3番目に速い決着。この中盤が速い流れというのは、底力とイコールの面があるだけに、ラップ的にはレースレベルが高かったと言えるでしょう。

 レイデオロはすぐに折り合って好位を追走。残り3ハロンでペースが上がっても全く危なげなく、ラスト1ハロンを過ぎてから左ムチが入ると、内で粘るダンビュライトを一気に引き離しました。次走は菊花賞ではなくジャパンカップとのことですが、世代の代表として恥ずかしくないレースをしてくれるはず。

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。