3月25日(土曜)に中山競馬場で行われた第71回GⅡ日経賞(芝2500m・4歳以上・別定・曇り・不良馬場)は単勝2番人気のタイトルホルダーが昨年に続いて連覇を達成し。管理する美浦・栗田徹調教師、騎乗した横山和生騎手とも当レースは2勝目タイトルホルダーは北海道新ひだか町岡田スタッドの生産馬。馬主は山田弘さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 スタート自体は若干、ディアスティマの方が速く映りましたが、内からタイトルホルダーが気合をつけて行く構えを見せると競り合いを避け、1周目の4コーナーに入る前には単騎逃げの形に。それでも、道中に1ハロン13秒を超えるラップの区間は1度しかなく、この日の馬場状態を考えるとタフな流れ。地力、スタミナの優劣がはっきりと出る展開になりました。

 

 

【レース分析】 勝ったタイトルホルダーは昨年と同様、有馬記念以来となる年明け緒戦でしたが、馬体に緩みなどはなく、当日版の調教欄の矢印が上を向いていたのも納得の仕上がり。鞍上も戦法に迷いはなかったようで、正攻法から後続を突き放す圧巻のパフォーマンスを見せました。

 

 

 「スタートの1完歩目があの反応だったので、今日は何の心配もありませんでした。最後もどれだけ後ろを離してくれるか、と思いながら乗っていました。昨年の秋は結果を出せず、厩舎の方々や何より馬が一番苦しかったと思いますが、強いタイトルホルダーを見せることができて嬉しいと思います。本番まで時間がありますが、ここでこの馬らしい競馬ができたことは自分にとっても自信になります。順調にいってほしいです」とレース後に横山和生騎手はコメント。明朝、未明に行われたドバイWC優勝馬の主戦も務めていたジョッキーですから、体が2つあればの思いでしたでしょうが、こちらを選択して、この内容ですから、鞍上の手腕も称えられて当然ですし、馬も昨年の当レースと比べて、明らかに上の勝ちっぷり。特にラストから2ハロン目の11秒9は、この日の馬場状態を考えると特筆すべき数字ですから、天皇賞・春で逆転候補を探すのは容易ではないな、と思わせるくらいの強さでした。

 

タイトルホルダーの4代血統表

 

 ②着にも昨年と同様、ボッケリーニ(単勝5番人気)が好走しましたが、昨年はクビ差だった勝ち馬との着差が今回は8馬身ですから相手のレベルUPを示す結果に。それでも、今年は馬群の外を回って連対を確保しましたから、GⅡレベルなら上位の力は示したといえます。③着ディアスティマ(7番人気)は勝ち馬に喧嘩を売らなかったことが健闘した最大の要因でしょうが、今回の粘りを見ると前走のステイヤーズSは距離が長かったと見るべきでしょう。1年を超える長期休養があった馬で、6歳でも伸びしろも見込めますが、今回と同じ2番手からの競馬で重賞を勝ち切れるかとなると、半信半疑な気もしています。

 

 

 ④着が自分が当日版で◎にしていたライラック(3番人気)。勝負どころで外を追い上げていった際の勢いは良く、馬券圏内は大丈夫と思いましたが、最後に伸びあぐねたところを見ると距離が若干、長かったのかも。ただ、休み明けや追い込みにくい馬場の影響も考えられるので、スタミナ面に限界を見せたと決めつけるのも早計かもしれません。一方、1番人気で⑨着に敗れたアスクビクターモアの敗因は出遅れに尽きますが、過去に馬券圏内を外したのが皐月賞⑤着だけという馬ですから、大きく崩れた点は少し気になるところ。本質的に道悪が合わなかった可能性もありますし、そのあたりは今後の動向や調整過程の雰囲気、陣営のコメントなどを注視していきたいと考えています。

   

text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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