3月20日(日曜)に中山競馬場で行われた第71回GⅡスプリングS(芝1800m・3歳・馬齢重量・曇り・稍重)はビーアストニッシド(単勝5番人気)が逃げ切って優勝。騎乗した岩田康誠騎手は2009年アンライバルド以来となるスプリングS2勝目。管理する栗東・飯田雄三調教師は当レース初勝利。この結果、➂着までに入ったビーアストニッシドアライバルサトノヘリオスがGⅠ皐月賞の優先出走権を獲得した。ビーアストニッシドは北海道日高町ヴェルサイユファームの生産馬。馬主は村中徹さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 躓き気味のスタートでしたが、最内枠から二の脚を利かせてビーアストニッシドがハナを奪取。他の馬が競り合いを避け、控えたことでテンの入りが遅く、前半5ハロン通過は60秒8。スローペースでレースが進行しました。

 

絶妙なペースメイク!接戦を制してGⅠへ

【レース分析】 ビーアストニッシド(5番人気)は前回よりもパドックではうるさい仕草を見せていましたが、まだ3歳春で若さを残しているタイプですから、この程度なら許容範囲内。さて、レースではマイペースで後続を先導。ただ、瞬発力勝負、上がりが速くなるのを避けるために道中のラップは落とさず、絶妙な逃げ。最後は粘り腰を発揮してアライバルを振り切ったように勝負根性も示しました。同じ日に行われたスピカS(3勝クラス)の勝ちタイムが1.47.8ですから、1.48.4という時計も水準以上ですね。うまく展開を味方につけることができれば、皐月賞でもチャンスがありそうです。

 

▲パドックを周回するビーアストニッシド(撮影ːyu~kun)

 

「稽古から難しいところがあり、手を焼く馬なんですが、未崎さん(柴田未崎騎手)が辛抱し、つきっ切りで乗ってくれていたので結果が出てくれて嬉しいです。いつも「走らせろ!」と燃え上がる気持ちの強い馬なんですが、最後まで一生懸命走ってくれるし、勝負根性も凄いですね。いつも今日のようにうまくいくわけではないと思いますが、2,000mも以前に経験しているし、本番も気合と根性でこなしてほしいですね」とレース後に飯田雄三調教師はコメント。初勝利時からコンビを組む岩田康誠騎手、そして普段の稽古でコンタクトを重ねている柴田未崎騎手、そして厩舎スタッフが一丸となっての重賞制覇だったことがよく分かります。

 

ビーアストニッシドの4代血統表

 

 アライバル(2番人気)は前回、体が少し立派でしたからマイナス8キロは絞れたものでしょう。パドックでは一歩一歩が力強く、迫力満点でした。伸び上がるようなスタートでしたが、京成杯の轍を踏まないように積極策を取りました。結果的にビーアストニッシドに逃げ切りを許しましたが、ハナ差②着と勝ちに等しいレース内容でした。サトノヘリオス(6番人気)は馬体に無駄肉がなく、均整の取れた造り。テンションも上がっていませんでした。中団のインで脚をためて、メンバー最速タイの上がりを駆使して➂着に好走。スローペースだった分、上位2頭とは位置取りの差も出た印象です。

 

 

 本命に推したアルナシーム(4番人気)はスムーズな脚捌き。テンションの方も上がり過ぎず、我慢できていました。不向きな展開にはなりましたが、スタートは出て、折り合って追走。あれで伸びなかったあたりは緩い馬場の影響でしょううか。1番人気アサヒは出遅れたのに加え、ペースも上がらず苦しい形に。ただ、追い上げに脚を使ったにしても直線の伸びはひと息。物足りないレース内容だったのは否めません。

 

 

 

 

 

 

             text by 京増 真臣

 

 

 

 

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