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旅うまチャレンジスタンプラリー門別(後編)

 

旅うまチャレンジスタンプラリー門別(後編)

 

 前編では門別競馬場と板垣記者による2歳戦の楽しみ方・見方をご紹介しました。後編の今回は、門別競馬場とセットでオススメしたい場所をいくつかご紹介したいと思います。

 

 まず新千歳空港利用の競馬ファンにとって定番とも言えるのが空港から車で約15分のところにある馬と自然のテーマパーク「ノーザンホースパーク」です。こちらではポニーショーや馬車、ひき馬など、馬に関連したアクティビティは勿論のこと、サイクリングやパークゴルフなど、馬以外のアクティビティも充実しています。ガーデンや展望台で自然を楽しむもよし、競馬を知らないという方でも楽しめること間違いなしです。

ポニーショー

ウインドインハーヘア

 厩舎エリアには引退した名馬たちがズラリ。アドマイヤジュピタ、デルタブルースなどのGⅠ馬だけでなく、重賞戦線で活躍した元競走馬たち、更にはあのディープインパクトの母ウインドインハーヘアにも会うことができます。また、ノーザンホースパークから車で20分ほどのところには社台スタリオンステーションがあり、こちらではキタサンブラックなどの見学が可能です。

 その他にもバーベキューレストランでのメニュー豊富なバイキング、更には結婚式まで可能なノーザンホースパーク。一人でもカップルでもグループでも、一日中楽しめるテーマパークです。新千歳空港からは無料シャトルバスも運行されていますので是非お立ち寄り下さい。

 

 新千歳空港から日高道を通って日高方面に向かえばもうそこは馬産地。至る所に牧場の看板があり、車窓からものんびり草を食むサラブレッドの姿が見られます。私のようなちょっとしたマニアにはここはあの馬の牧場、などテンションが上がります。

優駿記念館

 新冠にはオグリキャップの功績を讃える「優駿記念館」(本年の営業は終了)があり、併設の優駿スタリオンステーションではレインボーライン、ホッコータルマエなどの見学が可能です。

 新冠からサラブレッド銀座を走っていけば、ゴールドシップなどが見学できる「ビッグレッドファーム」、新ひだか方面に向かうとエイシンヒカリなどが見学可能な「レックススタッド」、ワンアンドオンリーなどが見学可能な「アロースタッド」があり、ここで紹介した以外にも日高エリアには種牡馬や功労馬を見学可能な牧場があります。

ゴールドシップ

エイシンヒカリ

 見学可能な牧場はたくさんありますが、大事なことは「必ず最低限のルール・マナーを守る」ということです。今回ご紹介する牧場はもちろん、馬産地の牧場は観光牧場ではありません。関係者の方のご厚意で見学させていただいているということを忘れず、絶対にルールを守って見学して下さい。その他にも、いつ見学できるのか、見学条件など、それぞれの牧場で決められています。

 「競走馬のふるさと案内所」では見学に際してのルール・マナーや、検索により牧場の見学条件などが分かるようになっていますので、必ず事前に確認のうえ、牧場の方に迷惑にならないようにしていただければと思います。こちらでは馬検索もできますので、思い出の馬がいる場所が見つかるかもしれませんよ。

 

 新千歳空港から車で約2時間30分の浦河にはJRAの「日高育成牧場」があります。日高から世界で勝てる馬づくりを目指し、総面積1500ヘクタールの広大な敷地に様々な馬場、坂路、研究施設などを備え、日々育成や生産の研究を行っています。こちらでは夏季限定で場内見学ツアーが開催されています。私が訪れるのは今回が2回目でしたが、時期によって企画内容が変わりますので、今回は1歳馬の馴致風景を見学することができました。来年以降も開催されるのではないかと思いますので、興味のある方はHPをチェックしてみてはいかがでしょうか。

 

 ここまで主に馬の見学スポットをご紹介しましたが、日高地方を訪れた際には、大自然の中で馬に乗ってみるのもオススメです。馬に乗ったことがない、ちょっと怖いという方にも是非オススメしたい乗馬クラブが、新千歳空港から約1時間20分、新冠にある「にいかっぷホロシリ乗馬クラブ」です。

ホロシリ乗馬クラブ

ナリタセンチュリー

 現在の職に就く前は毎年のように札幌競馬や函館競馬、そして門別競馬へ行ったり、牧場巡りをしており、ホロシリ乗馬クラブでも何度か乗馬をした経験があります。私はこう見えても(顔出ししていないのでどう見えているか分かりませんが)、一応乗馬ライセンス5級を持っているので、とりあえず一人で乗れます(ということになっています)。

 以前の相棒ダイワテキサス(2000年有馬記念3着)は既に乗馬を引退してしまったので、今回はナリタセンチュリー(2006年宝塚記念ディープインパクトの2着)に騎乗して50分の林間常歩コースをトレッキング。大雨などの影響で以前訪れた時とは少しコースが変わっているとのことでしたが、天候も良く絶好の乗馬日和で大自然の中を気持ち良く歩いていきます。アップダウンも結構ありますし、林の中から望む太平洋、鹿の群れなど楽しめる要素満載です。馬たちはおとなしく歩いてくれますし、守るべきことを守れば何も怖くはありません。

 

 今回は支配人の山畠輝男さんに地震の影響、ホロシリ乗馬クラブの特色、まだ馬に乗ったことがないという方へのメッセージなど、いろいろお話を伺わせていただくことができました。

 「地震では建物が壊れたりとかそういうことはなく、停電だけでしたね。水に関してはここは一度ポンプでくみ上げているので、そのポンプが止まってしまって1日くらいは水が出ませんでしたので、タンクで運ぶような対処をしていました。

 やはりキャンセルはたくさんありましたし、飛び入りのお客様は全然来なくなってしまったので、そういう面で営業的には結構損失がありました。近くの会員さんなんかは自分の判断で来られて乗っている方もおられましたが、停電で電話が使えなくなったので、こちらの状況を伝えられなくて、お客様からの問い合わせや予約も入らなくなりましたし、停電の影響は今の時代では大きかったですね。

 生活面では一晩だけですけど、電気がつかなくて何もすることがなくて、食料面では店が空っぽになるような感じで少し苦労しましたね。1日、2日で電気も来ましたし、食べるに困るというところまではならなかったですが」

 

 ホロシリ乗馬クラブの一番の特色は何なのでしょうか。

 「一番はやはり初心者で初めて馬に乗るという方でも、自分で操作して森に散歩に行けるということですね。競馬に関連してということでは、初めての方用の馬にも重賞勝ち馬が複数います」

 おそらく乗馬をしたことがない方は、初めて乗ってすぐコースに行けるとは思っていない方が多いのではないかと思いますが、ホロシリ乗馬クラブでは初めてでもすぐにコースへと出ていけます!

乗馬風景

 

 乗馬クラブの馬は皆おとなしいイメージがありますが、特別な調教などがあるのでしょうか。

 「簡単に言うと“本来の馬に戻す”ということなんでしょうかね。牧場で放牧されている馬たちに、目の色を変えて走り続けている馬はいませんから。競馬のトレーニングに入って人為的に走るようにトレーニングしているから走りますけど、もともとはそんなに走る動物ではありませんから、危険性や、人間に対する攻撃心・不信感がなければ大体は使えるようになりますよ」

 

 これから北海道は厳しい冬を迎えますが、冬でも乗馬は楽しめるんでしょうか。

 「乗っていただくことは可能です。冬は一部コースをクローズしていますし、地面が凍ってしまうのでほぼ歩くコースだけになりますが、冬でも乗ることはできますよ」

 

 これから期待している馬、人気のある馬などはいるのでしょうか、伺ってみました。

 「当クラブの馬は使えなくなるまでここにいるということはほぼありません。どこも傷んでいるということはないのですが、年齢的に大体20歳くらいを目安にしています。今は種馬のサイクルも早いので、土地柄的なこともあっていろいろな話が来るものですから、これからもいろんな馬が入ってくると思います。当面これからニューフェイスとして期待している馬は、スギノエンデバー(2012年北九州記念)ですね。今年譲り受けて、もうお客様を乗せられる状態です」

   もしかしたら皆さんよくご存じの馬がホロシリの乗馬たちの仲間入りをするかもしれませんね。

 「人気があるのはナリタセンチュリーやクーリンガー(2005年マーチSなど重賞6勝)ですね。人を乗せるということに関しては皆同じなんですが、性格はいろいろあって、クーリンガーは一番歩きが遅くてぼーっとしていますね。放牧場では一番威張るんですけどね。走るの嫌だ、歩きたい、でも歩くのもめんどくさい、そんな感じですね。今まで当クラブにいた馬で現役時代に速かった馬は遅いですね。鈍いというんでしょうか。鈍いくらいでちょうどいいんですけどね」

乗馬風景

 

 まだ馬に乗ったことがない、という方に向けてお伝えしたいことはありますか。

 「金額的には他のスポーツよりちょっと割高になるかもしれませんし、馬というと怖いなとか暴走するんじゃないかと警戒心を持っている方がいるかもしれませんが、全然そんなことはありませんよ。当クラブでは年間数千人の方が乗っていきますが、そのうち7割くらいは初めて乗る方です。“乗馬クラブ”という名がついているので敷居が高いなと感じる方もいるかもしれませんが、気軽に、馬の顔を見に来るだけでも全然構いませんので是非立ち寄っていただきたいですね」

 

 今回、突然のお願いにもかかわらず、支配人の山畠さん、総務部の熊野さんをはじめ、クラブの皆様にはとても丁寧に対応していただきました。心より御礼申し上げます。

 ホロシリ乗馬クラブにはここまで名前が出た馬以外にもメイショウトウコン(重賞5勝、2008年JCダート2着)、ゲシュタルト(2010年京都新聞杯)、ウインマーレライ(2014年ラジオNIKKEI賞)などの重賞勝ち馬や良血馬、たくさんの元競走馬が在籍しています。門別競馬場を訪れる方は是非牧場巡りやホロシリ乗馬クラブへ馬に会いに行ってみてはいかがでしょうか。今月で門別競馬はシーズンが終わりますが、冬でもホロシリ乗馬クラブでは乗馬が可能ですし、用具レンタルも行っていますので、機会があれば乗馬にチャレンジしてみて下さい。とりこになってしまうかもしれませんよ。

 

 門別編は以上となります。日高地方はまっすぐな道も多く、天気がいいとちょっと眠気に襲われたりもするので、くれぐれも安全運転を心掛けましょう。あと、門別競馬(今年の開催は11月15日が最終日)は立地条件、気温差などで時期によっては濃霧が発生し、開催が中止になることもあるので、くれぐれもお気をつけ下さい(気をつけようがありませんが)。

 

門別前編はこちら

 

競馬ブック M.M

 競馬があるところにはどこへでも足を運び、JRA、地方競馬場を踏破。2016年には香港にも遠征。JRAは勿論だが、地方競馬が大好物。ただ、馬券はド下手という致命的な弱点を持つ。どうしても競馬に関わる仕事がしたいと一念発起して、2017年競馬ブックに転職。業務で校正など、日々「日本語」と格闘中。