旅うまチャレンジスタンプラリー(帯広編)

 

 前回に引き続き北の地、北海道の帯広競馬場を訪れました。帯広では世界で唯一の競馬「ばんえい競馬」が開催されています。私がばんえい競馬を訪れるのは馬インフルエンザで中央競馬が中止になり、行くところがなく突撃した2007年以来2度目です(※ナイターの写真は苦手としておりまして、画質はお許し下さい)。

 

 かつては旭川、岩見沢、北見を含めた4場で持ち回り開催を行っていましたが、売り上げ減による赤字などから帯広市を除く3市が2006年度限りで撤退し、現在では帯広単独開催となっています。現在では帯広と言えば「ばんえい競馬」をイメージするのですが、以前は平地競馬も開催されており、競馬場を航空写真で見ると、平地競馬も開催していたことがよく分かります。アクセスはJR帯広駅バスターミナル12番乗り場からバスで約10分ほど、徒歩でも行けないことはありません。

 

 ばんえい競馬はサラブレッドなどの「軽種」とは異なり、古くから農耕などに利用されてきた「重種」(ばん馬)を使って行われる競馬で、騎手を乗せた鉄製のそりを曳いて直線200mのセパレートコースで争います。コースには高さ1mの第1障害、高さ1.6mの第2障害と2つの障害が設置され、そりの重量は最大で1トンになり、通常の平地競馬とは異なるレース展開、騎手の駆け引きなどが見どころになります。

 

 平地競馬と異なる点と言えば、やはり止める(刻む)ことでしょうか。最大の勝負どころとなる第2障害までにどのタイミングで刻んで息を入れるか、第2障害をどのタイミングで仕掛けるか、騎手の駆け引きが見ものです。ばんえい競馬はレースを間近で見られ、馬と一緒にゴールまで並走していけます。各馬が一気に第2障害に向かっていく姿は迫力満点です。

 また、馬にも、先行するタイプ、障害が得意なタイプ、第2障害を下りてからのラストスパートに秀でたタイプなど様々なタイプがおり、下りてからの大逆転劇もあり得るので、最後まで勝負の行方は分かりません。ちなみに、ばんえい競馬のゴールはそりの後ろがゴール板を通過した時になります。

第2障害

第2障害

 

 馬場についても平地競馬とは異なります。ばんえい競馬では馬場の水分量が表示されますが、乾燥して水分量が少ないと重馬場で時計がかかり、そり重量が重いレースなどでは何度も刻むタフなレースになりますし、逆に湿って水分量が多いと軽馬場となり、そりの滑りが良くなって、重量が軽いレースなどでは一気にゴールまで行ってしまう速い展開にもなります。重馬場が得意な馬、軽馬場が得意な馬などを見極めて狙ってみるのも有効だと思います。

 

 平地競馬と異なる要素は他にもいろいろあります。一般的に端コースがやや不利とも言われ、これは相手が片側にしかいないので競り合いで力を出しづらい、端コースはそれ以外の枠に比べて使用頻度が少ないので砂が摩耗せずそりが滑りにくい、などの理由が考えられます。また、左利きの騎手に替わると馬が変わる、と言われたり、平地競馬とは違う奥の深さがあります。圧倒的人気の馬でも第2障害でミスをして膝を折る(膝をついてしまう)と大敗することもありますし、人気薄の馬でもアッと言わせる大波乱を演出することがあります。人気にとらわれず穴を狙うのも楽しみのひとつと言えるかもしれません。実際、訪れた11月5日のメインレースでは圧倒的人気馬が第2障害をなかなか上がれず大敗を喫しました。そして馬券もやられました。

 馬券は相変わらず下手な私ですが、地方競馬のなかでもばんえい競馬は難しく、まだまだ勉強中です。あと、もしかしたら、ばんえいをご覧になったことがない方は、騎手はそりに乗っているだけでしょ、馬は歩くだけでしょ、と思っておられるかもしれませんが、騎手はパドックからスタート地点までは騎乗しています。また、馬もスタート直後や第2障害を下りてからは走ったりしていますので、現地でご覧になってください。

 

 さて、難しい話はこのあたりにしておきまして、帯広競馬場のグルメをご紹介したいと思います。帯広と言えばとにかく「豚丼」が有名です。競馬場でももちろん食べられます。スタンド1階の食堂で食べてみました。おばちゃんが「大盛りにしといてあげたよ」とニッコリ微笑んでくれましたが、通常盛りを見たことがないのでよく分かりません。それでも、甘辛タレが絡んだ豚肉がたくさん乗っていてボリューム満点です。「カレーラーメン」も有名らしく、機会があれば試してみたいと思います。

豚丼680円

 また、競馬場の敷地内には「とかちむら」というグルメ&ショッピングスポットが併設されており、十勝のお土産であったり、雑貨、加工品、スイーツやレストランなど、帯広競馬場を訪れるだけで、買い物、食事まで済ませられるという、至れり尽くせりのスポットとなっていますので是非チェックしてみてください。

とかちむら

 

 ばん馬の歴史ということでは場内に「資料館」、場外にも「馬の資料館」が設置されており、貴重な資料や模型などが見学できます。場外の「馬の資料館」は入場無料で、場内の資料館は競馬場の入場料100円が必要です。

場外の馬の資料館

 

 

 

 平地競馬とはまた違った世界唯一の競馬「ばんえい競馬」。名前は聞いたことがあるけどよく分からないという方、是非一度帯広へお越し下さい。場内には「ビギナーコーナー」も設置されていますので、初心者の方でも心配ありません。また「バックヤードツアー」や「朝調教ツアー」なるものも用意されています。冬の澄んだ空気のなか、ばん馬から立ち上る蒸気はとても幻想的なものだろうと思います。こちらも訪れてみてはいかがでしょうか。

 

 

 弊社YouTubeチャンネルでは「ばんえい競馬ってどんなもの?」「ばんえい競馬新聞の見方」を動画でご紹介していますし、重賞の展望動画の配信も行っています。「ばんえい版競馬ブック」はネット新聞コンビニエンスストアなどのマルチコピー機でもご購入いただけますので、この機会にばんえい競馬の馬券にもチャレンジしてみて下さい。

 

前回の旅うまチャレンジスタンプラリー門別(後編)こちら

 

競馬ブック M.M

 競馬があるところにはどこへでも足を運び、JRA、地方競馬場を踏破。2016年には香港にも遠征。JRAは勿論だが、地方競馬が大好物。ただ、馬券はド下手という致命的な弱点を持つ。どうしても競馬に関わる仕事がしたいと一念発起して、2017年競馬ブックに転職。業務で校正など、日々「日本語」と格闘中。