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第132回 目黒記念 回顧

2.22.9は伊達じゃない

 2回東京12日目12R第132回GⅡ目黒記念は単勝9番人気のウインテンダネスが優勝。鞍上は内田博幸騎手。管理する栗東・杉山晴紀調教師は嬉しい重賞初制覇となった。ウインテンダネスは父カンパニー、母モエレメルシーという血統。生産は新冠のアサヒ牧場。馬主は㈱ウイン。

それではレースを振り返りましょう。

 

 

【展開・ペース】

 ヴォージュが逃げて、リッジマンが2番手を追走。前半1000m通過は61秒3と序盤はゆったりした流れ。その後、12秒前半のラップが連続したが、Cコースに替わって前が残りやすい馬場だったのと、前半のペースが落ち着いた分、先行タイプと内を回った馬が上位を占める結果に。

 

【レース分析】

 ウインテンダネスは、3番枠を生かして内ラチ沿いのポジションを確保。前に壁ができたことで、しっかりと折り合うこともできた。直線に向いてからはなかなか前が開かなかったが、ノーブルマーズポポカテペトルの間に1頭分のスペースが生まれると、すかさず馬体を入れ、力強く抜け出してきた。勝ちタイムはレコードと0秒1差。4走前からメンコを外して成績が一変。前走の緑風Sは主導権を握り、レース後半は11秒台のラップを刻み続けて後続をシャットアウト。Bコース替わり1週目とはいえ、2分22秒9という優秀な勝ち時計を叩き出しての完勝。あれがフロックではないことを証明した。今後、別定、定量戦に替わっても目が離せない。カンパニー産駒はこれがJRA重賞初勝利。

 

ウインテンダネスの4代血統表

 

「切れ味で劣る面があるので位置を取りに行きました。前走はハナを切ったので、今回は掛かってしまいましたが、馬が自信をつけて良くなっていますね」とレース後の内田博幸騎手。積極的に運び、上手に我慢させて末脚を引き出した鞍上の好騎乗も光った。

 ②着ノーブルマーズも勝ち馬と同様に内ラチ沿いをロスなく追走。直線半ばでは抜け出して一旦先頭。最後に交わされたが、見せ場は十分だった。中盤でラップが緩まず、スローペースでも極端な上がり勝負にならなかった点も幸いした。展開のアシストがあれば今後も重賞での好走を期待していい。

 

 

 ③着パフォーマプロミスは好位を追走。直線でジリジリとしか伸びなかったのは、休み明けの影響もあっただろうか。それでも、①②着馬より重く、日経新春杯から2キロ増のハンデを背負っての好走は地力強化を物語る。④着ポポカテペトルは2コーナー付近で3番手まで進出。前に壁を作れない状況でも川田騎手はリラックスして走らせており、前走の烏丸Sの内容からも手が合っている。上位2頭に比べると終始、外を回る距離ロスもあった中で0秒2差は立派。2番人気チェスナットコートは⑪着。内に潜り込むことは叶わず、馬群の外目を追走。直線に向いて伸びかけたが、脚が長続きしなかった。今日は流れと馬場が向かなかっただけ。大きく評価を下げる必要はない。

text by 藤原

  ※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

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