1回札幌2日目11Rに行われた第66回GⅢクイーンS(北海道新聞杯)はディアドラが1番人気の支持に応えて快勝。昨年の紫苑S、秋華賞に次いで重賞3勝目を手にしました。管理する橋田満調教師、騎乗したC.ルメール騎手はともにクイーンSを初勝利。ディアドラは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬で馬主は森田藤冶氏。通算成績は18戦6勝(うち海外1戦0勝)

それではレースを振り返ってみましょう。

 

 

【展開・ペース】

 札幌競馬の開幕週は速めの時計が出ていましたが、昨年の1週目と比較すれば似たような馬場コンディション。レースはティーエスクライが先手を取るのに若干、苦労して、気合をつけてハナを主張した2ハロン目が10秒8のラップ。その後も極端にペースは落ちませんでしたが、少し前と離れていた3番手以降は多少、緩めの平均ペースといったところ。そのため後続も追走は楽で、最後は洋芝でも速い上がりを要求される瞬発力勝負になった印象を受けました。

 

 

【レース分析】

 勝ったディアドラはドバイ帰りでも当日の体重が秋華賞を勝った時と同じ490キロ。馬体はキッチリと仕上がり、道中も後方でジックリと構えて、勝負どころから馬群の大外をスーッと進出。4コーナーを回る時にも手応えに余裕があり、そのまま直線で一気に抜け出しました。GⅠ馬が55キロの斤量、血統的にも洋芝が得意など好条件が揃っていましたが、それにしても牝馬同士のGⅢでは地力が違うと言わんばかりの強さで、唯一、上がり3ハロン33秒台を計時して圧巻の3馬身差V。

「昨年もこのコースで勝っているように、彼女は札幌が好きなようですね。返し馬からとてもいい雰囲気でしたから自信を持っていましたし、凄い反応で素晴らしい瞬発力を見せてくれました。ここでは力が一枚上でしたね」C.ルメール騎手もコメント。今後は牝馬限定戦だけではなく、牡馬相手の中距離路線で目の離せない存在となってきました。

 

ディアドラの4代血統表

 

 ②着に健闘したフロンテアクイーン(4番人気)は14キロ減の体重で、完調には今一歩の気配に映りましたが、勝ち馬に外からアッサリ交わされた後も、渋太く伸びて連対圏に突入。勝ち切れない反面、相手なりに堅実な走りを見せる持ち味を再認識させるレースぶりでした。③着の2番人気ソウルスターリングはパドックから落ち着いた雰囲気。レースでもこの馬としては折り合いがついて、一旦は先頭に立ちましたが、そこからの伸びが今ひとつ。3歳春までのパフォーマンスを考えると少し物足りない内容でしたが、ある程度はスムーズな競馬ができたことが今後につながるか、注目したいと思います。④着トーセンビクトリー(7番人気)は昨年②着時と同様、身上である機動力を生かす立ち回りができた割に伸び切れず。年齢を重ねた分があるのでしょうか。⑤着の9番人気アンドリエッテは直線で少しスムーズさを欠くシーンがあり、それでも、最後まで伸びて前走の重賞Vがフロックではないと思わせる内容。この馬は次走以降も注意したいですね。

 一方、ツヅミモン、リバティハイツの3歳勢を人気を下回る結果になってしまいましたが、経験や気性面を含めて、現時点では1800mが少し長かった印象。もう一段階の成長を待ちたいところですが、次走で距離を詰めてきた場合は見直しが必要かもしれません。

text by 五十嵐

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

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