4回東京4日目11Rに行われた第66回GⅡ府中牝馬Sは1番人気に支持されたディアドラが上がり3ハロン32秒3という強烈な末脚を駆使して差し切り勝ち。ディアドラにとってはこれが重賞4勝目となった。鞍上のC.ルメール騎手はこの勝利で自身のJRA通算900勝を達成。管理するのは橋田満調教師。ディアドラは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は森田藤治さん。通算成績は19戦7勝。

 

それではレースを京増TMに振り返ってもらいましょう。

コチラをクリックすると府中牝馬Sの研究ニュースネット新聞がご覧いただけます!

 

【展開・ペース】

 スタート後、最内枠からクロコスミアが前へ出たが、これをカワキタエンカが制してハナを奪取。前半1000m通過タイムは58秒2。カワキタエンカがやや速めのラップを刻んで飛ばしていたが、後続は10馬身程度離れており、2番手以降はスローペース。上位3頭はいずれも上がり3ハロンが32秒台をマークと瞬発力比べになった。

【レース分析】

 ディアドラはパドックでは首をグッと下げて抜群の気合乗り。馬体も夏より更に逞しくなってGⅠホースらしい風格が出てきた。レースでは後方に待機。4コーナーの時点では「さすがに差し切るのは厳しいか」と感じたが、上がり3ハロンはメンバー中、最速の32秒3。②着のリスグラシューより2キロも重い56キロの斤量を背負いながらも研ぎ澄まされた鋭い脚で、鮮やかに差し切って見せた。まさに恐れ入りましたという感じ。

「良馬場で後方からになると、ちょっと難しくなるケースがあるので、直線に入った時は心配したが、彼女はずっとリラックスしていたし、最後はいいパフォーマンスを発揮してくれた」とレース後のC.ルメール騎手。

ディアドラは今月末の天皇賞(秋)に登録されたが、下半期の目標は12月に香港・シャティン競馬場で行われるGⅠ香港Cとのこと。強力な牡馬をなぎ倒し、海外でのGⅠタイトル獲得なるか注目が集まる。

ディアドラの4代血統表

 リスグラシューは12キロ体重が増えて一段とパワーアップ。安田記念以来の実戦でも仕上がりは悪くなかったが、上がり3ハロン32秒6の脚を使いながらも差し切られては相手を褒めるしかない。ここまでGⅠで②着4回。東京新聞杯以来の勝利を期待されながら僅差敗れたが、悲願のGⅠ獲りに向けては上々の滑り出し。この秋も目が離せない。

 フロンテアクイーンは、このメンバーに入り、時計の速い決着に対応しての③着は立派。プラス14キロと前走のクイーンS当時に減っていた馬体も回復して気配も良かった。この状態を維持していければ重賞制覇は近い。ジュールポレールは別定戦で勝馬と同じく56キロを背負っていたが、直線半ばで一旦は先頭争いに加わったあたり、さすがはGⅠホース。叩いた次走は上積みも見込めるはずで楽しみが広がる。

 本命を打ったクロコスミアカワキタエンカが大逃げを打ったことで離れた2番手を追走。瞬発力勝負で遅れを取ってしまったあたり結果論にはなるが、少し構えて乗り過ぎた印象も。後続を待たずに早目に動けば、もう少し差は詰まったかもしれない。それでも、上位3頭の脚力は凄まじく、◎は狙い過ぎだったか。

text by 京増真臣/構成・藤原

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 
 
 
研究ニュースネット新聞の紙面がご覧いただけます!
下記リンクをクリック
 
 
 
※記事中の写真は競馬ブックネットSHOPで販売中!
詳しくは写真かコチラをクリック!
 

記事中の写真・紙面の無断転載、複製禁止