勝ったのは武豊騎手が乗る1番人気のトリオンフでした。このレースは2005年にメイショウカイドウで武豊騎手が勝ってから1番人気が12連敗中でしたが、負の連鎖に終止符が打たれることに。そして、武豊騎手自身このレース4勝目。管理する須貝尚介師は2月の小倉大賞典に続いてトリオンフで今年の重賞2勝目を挙げました。馬主は(株)KTレーシング。生産はレイクヴィラファーム。また、走破時計の1分56秒9は、2013年にメイショウナルト(これも武豊騎手!)が記録した1分57秒1を0秒2上回るコースレコード。それではラップ図を見ながらレースを振り返りましょう。
レコード決着でしたが、1000m通過は1分ジャスト。これは2016年の1分0秒5に次ぎ、過去10年で2番目(2014年と並ぶ)に遅い数字。前半60秒─後半56秒9と前後半で3秒1の差がある後傾ラップでした。馬場は前日の土曜日2R 2歳未勝利で1800m1分46秒9の2歳レコードが出る状態。以上を踏まえると先行馬に有利な競馬だったといえます。ただ、5ハロン目からずっと11秒台のラップが続いて、ラスト2ハロン目は10秒9とかなりシビア。スピードの持続力が問われる流れで、単純な瞬発力勝負と考えるのは早計でしょう。
トリオンフは内のマウントゴールドを先に行かせて、自身は外の2番手で折り合いに専念。道中の手応えは抜群で、3コーナーで早くも前に並びかけると4コーナーでは先頭。そのまま直線は馬場の内めを通って楽々と抜け出しました。これで小倉は3勝2着1回。初めてコンビを組んだ武豊騎手は、「強かったです。乗り味がいいし、まだまだ奥がありそう」とのこと。
2着には2番人気のサトノクロニクル。今年に入ってからは阪神大賞典、天皇賞春と3000m超えのレースばかりに使われており、序盤は手綱をしごき出ムチを入れながらトリオンフをマークする位置取り。これはM.デムーロ騎手の好判断。11秒1とペースアップした勝負どころでは必死に喰らいついていきますが、勝ち馬とは手応えが違い過ぎました。最後まで渋太く脚を伸ばしていますが、今日は相手が悪かったですね。久々の2000mも少し忙しかった感じです。
3着マウントゴールドは休み明けでプラス10㎏でも好仕上がりに見えました。テンションが高かったですが、体調は良かったようです。前半はマイペースでしたが、早めに交わされる厳しい展開、しかも今回が重賞初挑戦。上位2頭より3㎏軽いハンデの恩恵があったとはいえ、大健闘ではないでしょうか。レイホーロマンスはメンバー最速の上がり33秒4。上位3頭とは位置取りの差が大きかったですね。とはいえ、コーナーではロスを最小限に止める好騎乗。軽い馬場、51㎏の軽ハンデを生かして速い上がりに対応できました。
サンマルティンはジックリと後方から。勝負どころでスムーズに捌けていればもう少しやれたでしょうが、やはりあの位置取りでは厳しかったかと。ストロングタイタンは競走中に心房細動を発症。今日は参考外です。
text by 小林
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。