4月21日に行われた第54回GⅡフローラSは単勝3番人気に支持されたウィクトーリアが外から差し切って優勝。2008年のGⅠ秋華賞馬ブラックエンブレムの娘が見事にトライアルを制し、GⅠオークスへの駒を進める。鞍上は今回が初コンビとなった戸崎圭太騎手。管理するのは小島茂之調教師。この結果、①着ウィクトーリア、②着シャドウディーヴァが5月19日に東京競馬場で行われるGⅠオークスの優先出走権を獲得した。ウィクトーリアは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)シルクレーシング。

 

それではレースを京増TMに振り返ってもらいましょう。

 

【展開・ペース】 戦前から前、前で運ぶと考えられていたウィクトーリアがスタートで後手を踏み、内からエトワールに寄られたこともあって位置取りが後ろに。これに対し、発馬を決めたジョディーは労せず、単騎逃げに持ち込んだ。前半1000m通過は60秒6と落ち着いたペース。直線に向いてからは瞬発力比べとなった。

 

【レース分析】 ウィクトーリアは発馬で立ち遅れて万事休すかと思われたが戸崎騎手が臨機応変に対応。先行できないと見るやすぐにプランを切り替え、後方のインでジッと脚を温存した。これまではハナを切る戦法で結果を出してきたウィクトーリア。鞍上の選択にキッチリと応えたあたりは本当に立派だ。持てるスピードを末脚の爆発力に転化し、鮮やかな差し切り勝ち。過去の実戦を見ていても、テンションの上がりやすいタイプだが、パドックでは落ち着き払って周回。気持ちが入り過ぎないように注意し、ソフトに仕上げた厩舎の調整が実を結んだ。

騎乗した戸崎騎手は「追い切りで跨った時からフットワークの良さを感じていました。出遅れてしまって当初の作戦とは違う競馬になりましたが、上手に走れていましたし、直線で外に出すとしっかり伸びてくれましたね。更なる成長を期待したいです。」とコメント。馬場状態の恩恵もあろうが、勝ちタイムは2001年以降、最も速かった昨年と同じ1分59秒5。レースぶりに幅を広げ、本番では果たしてどのような走りを見せるのか

 

ウィクトーリアの4代血統表

 

 シャドウディーヴァは勝ちを意識し、中団のインを確保。直線に向くと内ラチ沿いから脚を伸ばし、ゴール手前では逃げ粘るジョディーを捉えて一旦先頭に立つシーン。もうワンテンポ早く、進路が開いていれば勝っていただろう。ゆったりとした馬体の造りはオークス向きに映り、本番でもマークが必要だ。

 9番人気ながら③着に健闘したのがジョディー。単騎逃げに持ち込むと道中でペースを緩め、2馬身ほどのリードを保って直線を向く。絶好の展開ではあったが、最後に交わされたあたりは距離適性と瞬発力の差か。

 

 

 期待したパッシングスルーはシンザン記念当時より馬体の張り、ツヤを良く見せていい仕上がりに映った。レースでは前を射程圏に入れながら好位を追走。残り1ハロン標識を過ぎてから際どく迫った。もし、前を走るセラピアが伸びあぐねることがなければ、よりスムーズに抜け出せていたか。単勝4番人気に支持されたフェアリーポルカは⑤着に敗れたが、着差はコンマ1秒差。大外枠の分が応えたように映る。

 

                                 text by 京増真臣

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。


 
 
研究ニュースネット新聞の紙面がご覧いただけます!
下記リンクをクリック
 
 
研究ニュースネット新聞ご購入はコチラをクリック!
 
 

 
 
※記事中の写真は競馬ブックネットSHOPで販売中!
詳しくは写真かチラをクリック!
 
記事中の写真・紙面の無断転載、複製禁止