4回東京2日目11Rに行われた第69回GⅡ毎日王冠は1番人気に支持されたアエロリットが積極策から押し切って優勝。グレード制導入後、毎日王冠を制した牝馬は1987年ダイナアクトレス、1993年シンコウラブリイ、2016年ルージュバックに続く史上4頭目。騎乗したJ.モレイラ騎手は8月のGⅢキーンランドCに続き、これがJRA重賞2勝目。管理するのは菊沢隆徳調教師。アエロリットは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は㈲サンデーレーシング。通算成績は12戦4勝。

 

それではレースを京増TMに振り返ってもらいましょう。

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【展開・ペース】

 大方の予想通り、アエロリットがハナを奪って前半1000m通過は59秒0。開幕週で前日よりも馬場が乾き、1分44秒5というコースレコードにコンマ3秒差に迫る好タイムで決着したことを踏まえれば、流れ自体はスローペース。

 

パドックを闊歩するアエロリット(撮影:yu~kun)当日の体重はプラス6キロ。馬体は春より逞しさを増していた。

 

【レース分析】

 アエロリットは主導権を握り、前半1000m標識を59秒0で通過。そこからペースを緩めて後続を引きつけることはせずに11秒7→10秒9と加速。アエロリットの真骨頂であるトップスピードの持続力を発揮して鮮やかな逃げ切り勝ち。上がり勝負にはせず、持ち味を存分に生かしたJ.モレイラ騎手の手腕もさすがだが、パドックでは落ち着きがあり、春より一段と逞しくなっている印象を受けた。4歳秋を迎えて完成の域に達したか。

「スタートして流れを見てそのまま先頭に立ちました。ハナを切ってからはリラックスしてスムーズに運べました。直線に向くまでプレッシャーがかからなかったので追い出すとしっかり反応してくれて最後の50mくらいで自信が持てました。さすがGⅠを勝っている特別な牝馬ですね。体の造りが素晴らしいし、落ち着いていながらもファイティングスピリットも持っているように性格もいいですね。またGⅠを勝てる馬でしょう」とレース後のJ.モレイラ騎手。

今回はイキのいい3歳勢やクラシック優勝馬を見事に完封。安田記念はクビ差だけモズアスコットに差されて勝利を逃したアエロリット。最高のスタートを決めて、秋は2つ目のGⅠタイトル奪取が期待される。

 

アエロリットの4代血統表

 

 ステルヴィオはメンバー最速の上がりを駆使し、ゴール寸前で②着に浮上。皐月賞④着、日本ダービー⑧着と今春のクラシックでは結果を出せずに終わったが、ロードカナロア産駒だけに、やはりマイル前後の距離が合う。春に比べてトモに厚みが出ており、適距離に戻ったことで更なる飛躍が期待できそうだ。

 

ステルヴィオは古馬と初対戦ながら②着(撮影:yu~kun)トモに厚みが増し、成長を感じさせた。

 

 キセキは2番手を進む積極的な立ち回り。直線ではアエロリットに渋太く食い下がって見せ場十分の③着。菊花賞で極悪馬場を走った影響、反動もあったのか昨年暮れの香港遠征以降は成績がパッとしなかったが、ここにきて復調ムード。宝塚記念以来で馬体重はプラス10キロ。次は上積みも見込める。

 パドック、本馬場入場で雰囲気が良かったのがケイアイノーテック。今回は同じ3歳のステルヴィオカツジより1キロ重い56キロの斤量。これはアローワンスで4歳以上の牡馬では58キロにあたり、最後は斤量差も出た格好だが、古馬相手でも能力が通用することを示した⑤着。この馬も心身ともに成長。今後の活躍が楽しみ。

text by 京増真臣/構成・藤原

 

 

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