1月5日に中山競馬場で行われた第69回GⅢ中山金杯(芝2000m・4歳以上・ハンデ)はトリオンフ(単勝2番人気)が優勝。1年4カ月に及ぶ休養からGⅢチャレンジカップで戦列に復帰。叩いて臨んだ年明け緒戦で自身3つ目となる重賞タイトルを獲得した。鞍上は三浦皇成騎手が負傷のため、急きょコンビを組むことになったM.デムーロ騎手。管理するのは栗東・須貝尚介調教師。トリオンフは北海道洞爺湖町レイクヴィラファームの生産馬。馬主は㈲桑田牧場。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 戦前の予想通り、ブラックスピネルが先手を奪う。後続を1馬身ほど離して1コーナーへ。ここで一旦、ペースを緩めたが、2番手を進むトリオンフがプレッシャーをかけたことで再び加速。前半1000m通過は60秒2と平均ペースでレースは進行した。

 

▲パドックを歩くトリオンフ(撮影:yu~kun)

 

【レース分析】 トリオンフは、パドックでは二人引き。気合が乗っており、体の張りも上々。長欠明けを叩かれて順当に良化していた。レースはスタートを決めて2番手追走。終始、後続に外から被せられるようなシーンはなく、気分良く運べたのが勝因のひとつ。残り2ハロン標識を過ぎてブラックスピネルを捉えると、力強く抜け出して先頭。チャレンジCとは違い、今回は直線の急坂を迎えても脚いろは鈍らず、ウインイクシードらの追い上げを封じて先頭でゴール。屈腱炎を乗り越えて、復活を果たした。

 

トリオンフの4代血統表

 

 「今回は乗り馬がいなかったんですが、三浦ジョッキーにアクシデントがあり、須貝尚介先生から依頼をもらって嬉しかったです。三浦ジョッキーが大きな怪我ではないといいんですが……。馬は良かったです。前回、1年4カ月ぶりの競馬でいい結果を出していたし、今回もチャンスがあると思っていたんです。思った通りでしたね。1年で最初の重賞を勝てて嬉しいです。今年もたくさん勝ちたいです」M.デムーロ騎手。鞍上にとっては昨年のGⅠオークス以来となるとJRA重賞制覇。昨年暮れに大井で行われたGⅠ東京大賞典を勝った勢いそのままに、チャンスが巡ってきた年初の重賞レースも勝利。人馬とも最高の形で2020年をスタートした。

 

接戦を制し、①着でゴールしたトリオンフ(撮影:yu~kun )

 

 ②着のウインインクシードは好位を追走。馬群の中で十分に脚が溜まっていた。4コーナーを過ぎてトリオンフの外へ持ち出すと、しっかり伸びて猛追。34秒台の速い上がりを求められない馬場、流れはこの馬にピッタリ。また2000mだと労せず、いい位置を取れる。うまく流れが噛み合えば今年は重賞獲りが狙えそうだ。

 最内枠の利を存分に生かしたテリトーリアルが③着。終始、内ラチ沿いを進む形。3、4コーナーで反応が鈍く、位置を下げたが、すぐに挽回して直線へ。ウインイクシードをやり過ごしてから外へ持ち出すと、ジワジワ伸びて接戦の③➃着争いを制した。1番人気のクレッシェンドラヴは⑦着。4コーナーを2、4番手で通過した馬がワンツーを決める展開だけに4コーナー15番手では厳しかった。それでも、しっかり脚はたまっており直線に向くとさすがと思える伸び。予定していたGⅠ有馬記念を使えず、状態が下降していたということではなさそう。⑧着が3番人気に支持されたザダル。大外枠から終始、外を回るロスがあったのが大きかったようで、直線は伸びあぐねてしまった。

 

 

                                 text by 藤原 有貴

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・勝ったトリオンフは前走GⅢ②着、②着のウインイクシードは前走OP特別②着だから上記は来年も取捨選択に使える。ただし、③着テリトーリアルは前走GⅢ⑫着。あくまで連対馬を抽出するためのデータである点は覚えておきたい。

〇斤量・・・前走から斤量が増えていたのはクレッシェンドラヴトリオンフの2頭。そのうちトリオンフが優勝。来年以降も中山金杯を攻略する上でキラーデータとなりそうだ。

 


 
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