4回東京9日目11Rに行われた第158回GⅠ天皇賞・秋は2番人気のレイデオロが直線で鮮やかに抜け出し、後続に0秒2差をつけて快勝。昨年の日本ダービー以来となるGⅠ2勝目を手にしました。騎乗したC.ルメール騎手は秋華賞、菊花賞に続くGⅠ3週連続制覇(自身2度目、史上3例目)、JRA・GⅠレース年間6勝目はグレード制が導入された1984年以降、最多タイで、次週以降は新記録に挑戦することになります。管理する藤沢和雄調教師はスピルバーグで制した2014年以来、当レースは通算6勝目(現役最多、史上2位)。レイデオロは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)キャロットファーム。通算成績は11戦7勝(うち海外1戦0勝)。

それではレースを振り返ってみましょう。

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【展開・ペース】

 スタート直後はヴィブロスが前に出ましたが、すぐに外枠からキセキが先手を主張して前半1000m通過タイムは59秒4。超スローペースにはなりませんでしたが、後半1000mが57秒4ですから全体のペースは緩め。ある程度の位置で流れに乗れて、速い上がりに対応できる瞬発力も要求される展開になったと考えられます。

【レース分析】

 レイデオロは返し馬の際に馬場へ先出し。少し頭を上げるなどテンションも高めでしたが、これはいつものこと。レースでは互角のスタートから流れに乗り、中団あたりで折り合いもスムーズ。楽な手応えで直線に向くと周囲の馬のアクションなどを見ながら追い出され、機敏な反応を見せて抜け出す快勝劇でした。危なげのない勝ち方でしたが、次走のプランは馬の様子を見ながら、とのこと。その動向からは目が離せませんね

パドックを周回するレイデオロ(撮影:yu~kun)

「コンディションが凄く良くて、完璧なレースをしてくれました。ちょうどいいペースだったので道中もリラックスして走れて、馬群の外目でプレッシャーをかけられなかったことも良かったです。逃げた馬も実力馬なので警戒していましたが、直線を向いてからの反応が凄く良くて、いい脚を長く使って捉えてくれました。強かったですね」とレース後にC.ルメール騎手はコメントしています。

 

レイデオロの4代血統表

 ②着のサングレーザーは前走の札幌記念から12キロ減でも細い感じはなく、昨年同時期にスワンSを制した際も同じ体重でしたから好仕上がり。レースは勝ち馬を見るような位置でレースを進めて、勝負どころからの手応えは劣勢でしたが、最後まで脚を伸ばして連対圏に浮上。タフな馬場状態の2000mを勝っていたので、コース替わりでも距離はこなせても納得ですが、ゴール前でも脚勢を鈍らせなかった鞍上の手腕も見逃せません。

パドックを歩くサングレーザー(撮影:yu~kun)

 私が◎に狙った③着キセキ(6番人気)は、こちらが期待していた通りの積極策。見せ場タップリのレースぶりには納得していますが、もう少しだけペースを上げて、消耗戦の色合いが濃くなってくれれば②着はあったかも、という気もしています。5番人気で④着のアルアインは2番手で流れに乗り、スムーズなレース運びでしたが、この形だと少しメリハリに欠ける印象も。直線の長い東京の2000mよりは機動力が生きる距離、舞台がベターかもしれませんね。

 先に向けて要注意と思わせたのは⑤着のミッキーロケット(8番人気)。体重は2キロ減でも少し余裕のある体つきに映り、上がりの速い競馬も得意なタイプではありませんが、ジワジワと脚を伸ばして掲示板を確保。ひと叩きして距離も延びれば、前進が期待できそうな印象を受けました。

 1番人気に支持されたスワーヴリチャード(⑩着)はスタートが遅く、しかも挟まれるような形になって終始、レースの流れに乗れず、最後まで馬の気持ちにスイッチが入らないままのような負け方でした。勿論、力負けではなく、参考外の一戦になりますが、発馬を含めて気性面に課題を残したことも確かです。

text by 五十嵐友二

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 
 
 
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