2018年11月11日(日) 5回京都4日

 リスグラシューが8度目の挑戦でGⅠ初勝利。鞍上のモレイラ騎手は今日5勝目。これが自身初となるJRAでのGⅠ制覇で、9RにはJRA通算100勝も達成しました。8Rにはスタートでの落馬もありと、この日の淀はマジックマンショーの舞台と化した感じ。管理する矢作芳人調教師もエリザベス女王杯は初勝利です。また、この日は1R~11Rまでを3人の外国人騎手だけで制するなど時代の流れも感じさせることに……。それではレースラップへ。

 

2:13.1(12.3 – 11.2 – 12.9 – 12.7 – 12.3 – 12.5 – 12.5 – 12.0 – 11.6 – 11.4 – 11.7)

 スローペース。更に前日のアイスバブルが勝った1000万下が前半37秒3、中盤61秒7、後半35秒5で2分14秒5。こちらは前半36秒4、中盤62秒、後半34秒7で2分13秒1。スローペースの上にかなりの中緩みでした。道中で後ろに位置していた馬はノーチャンスだったと言えます。せめて中団後方のリスグラシューの位置にはいないと厳しかったでしょう。勝ち馬の位置でもギリギリでしたが、いつもより前の位置取りは、さすがはモレイラ騎手と言ったところでしょうか。4コーナーで外にいたコルコバードが邪魔になりそうでしたが、手応えの違いを見逃さずにアクセル全開で直線へ。内にいた他の上位馬とは直線に入った時の勢いが違いました。メンバー唯一の上がり33秒台。一頭だけ脚色が違いましたね。あとは前を捕まえられるかどうかだけ。

 クロコスミアは昨年がクビ差2着でしたが、今年もあと一歩及ばず。しかし、この人気は舐められ過ぎでした。同型は内のプリメラアスールでしたが、あちらは押して押してに対して、こちらは楽に前へ。先行争いはすぐに決着がついて、「控える競馬もできるが、前走のように力んでしまうから、理想はハナ」と西浦師が話していた通りマイペースに持ち込めました。坂の下りでジワッと後ろを引き離し、一旦は完全に抜け出しましたが……。後続には3馬身差をつけての入線ですし、今日は相手が悪かったです。

 連覇を狙う1番人気モズカッチャンは3着。内めの好位につけて悪くない位置取り。直線に向いて一瞬伸びかけましたが、最後は逆にクロコスミアに突き放される感じ。このあたりは熱発で府中牝馬Sを回避した影響があったのでしょうか。レッドジェノヴァは1コーナー手前でモズカッチャンに押し込まれて、その後ろから。あとはずっとモズをマークする形。もう少し勢いをつけて直線に入りたかったと思いますが、これも競馬。仕方ありません。直線はフロンテアクイーンがいて外に出せなかったので内へ入りましたが、進路はありました。今回がGⅠ初挑戦ですし、まだまだこれからでしょう。

 2番人気のノームコアは5着。序盤は外枠とあって無理をせず中団からでしたが、向正面に入る頃には早くも3番手の外。手応えが悪くなかった割に直線に向いての反応は今ひとつ。その後もジリジリとした伸びで掲示板を確保するのがやっとでした。ただ、3歳世代の中では最先着。キャリアもまだ6戦目。今回の経験を糧に更なる飛躍を期待したいところです。カンタービレは道中で少し力んでいましたし、ラスト1ハロンで勝ち馬に前をカットされました。ただ、本質的には2200mも少し長いのかも。フロンテアクイーンは直線半ばで前が狭くなって外へ切り替えすロスが響いた感じです。

text by 小林  

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。