3回福島4日目11Rに行われた第54回GⅢ福島記念は2番人気のスティッフェリオが3番手追走から直線で抜け出して快勝。重賞初制覇を果たしました。騎乗した丸山元気騎手、管理する音無秀孝調教師は福島記念を初勝利。尚、音無秀孝調教師は前日に東京の武蔵野Sも制しており、GⅠ宝塚記念を含めて今年のJRA重賞4勝目。スティッフェリオは北海道千歳市・社台ファームの生産馬。馬主は(有)社台レースホース。通算成績は19戦6勝。
それではレースを振り返ってみましょう。
【展開・ペース】
戦前の予想通り序盤はマルターズアポジーとマイスタイルが主導権を争い、隊列が決まってからも2頭で後続を離して、前半1000m通過タイムが57秒6のハイペース。そこからも12秒台前半のラップが並んでいるようにあまり流れは緩まず、差しタイプも追走に脚を使わされる展開。流れに乗れてスピードを持続できる、地力のある上位人気馬が馬券圏内を占める結果になりました。
【レース分析】
スティッフェリオは好スタートから離れた3番手の理想的な位置取り。ただ、目測になりますが、この馬でも6ハロン通過は1分10秒台でしたから決して楽な流れとはいえず、それでも、抜群の手応えで追走して、直線も危なげなく抜け出した勝ち方には地力強化がハッキリと感じられました。差し有利の展開だったGⅡ札幌記念で好位追走から掲示板に載った内容も印象的でしたが、更にレベルアップしていたようです。
「枠も良かったですし、展開もベスト。前の2頭が飛ばして流れが速くても、脚は溜まっていました。2歳の頃は体が緩かったんですが、今は成長していますからね。この馬にはいい時に乗せていただいていますし、大好きな福島競馬場で初めて重賞を勝つことができて本当に嬉しいです」とレース後、丸山元気騎手はコメントしています。
内容的には勝ち馬より上かも、と思わせる走りを見せたのが②着マイスタイル(3番人気)で、このペースで逃げ馬を追いかけながら、交わされてからも踏ん張って連対を確保したことは賞賛に値します。昨年のダービー④着馬ですから実績面の裏付けは十分でしたが、それにしてもこの粘り腰は立派の一語です。
③着エアアンセム(1番人気)も勝ち馬の直後から脚を伸ばしていますが、前を捉えなれなかったのは上位2頭より2キロ重いハンデも影響した気がします。この馬もGⅢでの地力上位は確かでしょう。3歳世代の参戦がなかったこともあり、上位馬に3馬身半以上の差をつけられた④着以下に特筆できるような馬は見当たらない印象を受けましたが、⑤着ルミナスウォリアー(13番人気)は長欠明け2戦目で良化が窺えましたから、この後も順調なら更に前進があるかもしれませんね。
text by 五十嵐友二
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。