競馬 研究ニュース

第35回 マイルCS 回顧

 

 

2018年11月18日(日) 5回京都6日

 勝ったのは5番人気のステルヴィオ。父ロードカナロアの産駒には既にアーモンドアイがいますが、牡馬では初めてのG1ホース誕生です。管理する木村哲也調教師はこれがG1初勝利。騎乗したW.ビュイック騎手にとってもJRAで初めてのG1勝利となりました。それではレースラップへ。

 

1:33.3(12.4 – 11.1 – 11.5 – 12.1 – 11.7 – 11.6 – 11.2 – 11.7)

 前半35秒0-47秒1、後半46秒2-34秒5の後傾ラップ。この日の7Rに同じ舞台で行われた3歳上500万下が1分33秒7でしたから、G1としてはかなり遅い流れでした。また、京都は今週からB→Cコース替わり。先週まで荒れていた内側部分がカバーされてたことによって、内も互角以上に戦える馬場。週中に雨がまったく降らなかったことも拍車をかけました。それだけに、後方から外を回した馬には厳しいレースに。

 

 流れが遅かったこともあり、ステルヴィオは久々のマイル戦でもアルアインの直後のポジションを取れました。結果的にこれが大きかったです。直線では逃げたアエロリットとアルアインが前にいて進路がありませんでしたが、ビュイック騎手は落ち着いていましたね。残り1ハロンで2頭の間がガラリと空くと一気に抜け出し、更にその内から伸びて来たペルシアンナイトとの叩き合いを制しました。4代母スイートコンコルドは皇帝シンボリルドルフの姉にあたり、トウショウボーイに連なる母系は、サンデーサイレンスまで入っていて日本の競馬を凝縮した感じ。

ステルヴィオ血統表

 

 ペルシアンナイトは惜しい2着。道中は中団、勝ち馬の一列後ろ。この位置取りの差が最後のアタマ差となって現れた感じです。4コーナーを回った後、アエロリット=R.ムーア騎手のタイトな立ち回りもあって進路がなく、追い出しを待たされました。最後は狭いところからよく伸びていますが、勝ち馬を交わすまでには至らず。アルアインはロジクライと共に押し出される格好で、2ハロン過ぎに外からアエロリットが来るまで先頭。全体にうまく立ち回って、一旦は直線で先頭に立ちましたが、最後の最後で甘くなりました。

 驚いたのはカツジ。馬群の外で行きたがっていた毎日王冠とは違って、今日はスタートしてすぐに内へ。そして、素晴らしいのはロスを最小限に止めた4コーナーでの立ち回り。馬も良くなっていましたが、松山騎手も落ち着いた好騎乗でした。カツジと共にレース最速の上がりで追い込んできたのがミッキーグローリー。こちらは対照的に勝負どころで大外へ。今日の展開、馬場では掲示板に載るのが精一杯。

 アエロリットは右にモタれる面があり、ラチに頼って走りたいところ。途中からでも先頭に立つ形は想定通り。ムーア騎手もレース後のインタビューで、「4角までの走りには満足」。ただ、「思ったより伸びなかったね。右回りも良くないのかな 」とのこと。今日は外枠、右回りと決して条件が良かったとは言えず、巻き返しに期待しましょう。春の安田記念を制して1番人気に支持されたモズアスコットは13着。最初から外に出すことを意識した立ち回りでした。ただ、3コーナーあたりからずっと窮屈な感じで、直線入り口では内から寄られるシーンも。今日は力を出し切れませんでした。ロジクライは掛かり気味で脚が溜まりませんでしたね。

text by 小林  

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。