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第54回 中日新聞杯 回顧

2018年12月8日(土) 4回中京3日

 1992年は日本調教馬として初めて香港国際競走を勝ったフジヤマケンザン、2009年には後に宝塚記念を勝つアーネストリーが勝利している中日新聞杯。

 今年は14頭立てとなり、1番人気はギベオンで3.7倍。マイスタイル4.4倍、メートルダール4.6倍と続いて混戦模様。

 レースはマイスタイルが予想通りに逃げて徐々に後続を離していき、前半の1000mは58秒7と平均より少し速いぐらい。向正面では縦長の展開が4角では一気に密集。直線に向くと、マイスタイルはあっさりと掴まり、あと1ハロン付近で抜け出したのがギベオン。更に外からショウナンバッハが襲い掛かり、100mあたりでは交わしていたが、ゴールではギベオンが差し返してハナ差の勝利。4馬身離された③着がストロングタイタン。メートルダールは⑤着。マイスタイルは⑧着でした。

 勝ったギベオンはセントライト記念⑬着からの巻き返しに成功。NHKマイルC②着のイメージも手伝って距離不安を囁かれていましたが、重賞級でも2000mまではクリア。C.デムーロ騎手は「折り合いがついて、最後もしっかり脚を使ってくれたし、いい馬だね」とコメント。これで6戦3勝とし、来年の飛躍が楽しみ。C.デムーロ騎手は昨年に続いて連覇。兄のミルコは3勝で、デムーロ家は通算5勝目。ちなみにゴール前で衝撃の飛行機ポーズを見せたのはサンライズマックスで勝った2007年です。藤原英昭調教師は2006年のトーホウアラン以来となる2勝目。

 惜しいのは12番人気で②着のショウナンバッハ。後方から3角過ぎでギベオンの直後を取ると、そこからピッタリとマーク。交わすタイミングもバッチリと思えたのですが、首の上げ下げで差し返されました。昨年は9番人気で④着と、この舞台が合うようです。鮫島克駿騎手は初重賞制覇目前だっただけに悔しいでしょう。

 ③着ストロングタイタンはプラス36キロにビックリ。太いというより、緩さは少し感じました。それが最後に突き放された要因だと思いますが、立て直された効果の方が大きかったのでしょう。冬場に実績がないですが、フレッシュな今のうちはまだ狙えそうです。

 ⑤着メートルダールはギベオンの直後にいましたが、4角でショウナンバッハに蓋をされる格好になって動けず。切れより長く脚を使うタイプで、外から早目にアクセルを踏めた昨年とは違う形になってしまい、坂の手前で加速できなかったのが痛かったように見えました。

 マイスタイルは向正面からペースを上げましたが、福島記念よりは楽だったはず。田中勝騎手は「今日は物見をしていたので……」とコメントしているので、初コースへの戸惑いがあったか。

 ⑬着グレイルは出遅れて中団から。直線は内を狙いましたが、進路がなくてほとんど追えず。手応えはあるように見えたので、開いていれば③着争いには加われたか。今回は参考外です。

 

text by 石井大

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。