2018年12月16日(日) 5回阪神6日
第70回朝日杯フューチュリティステークスは2番人気のアドマイヤマーズが1分33秒9の時計で優勝。管理する友道康夫調教師はこのレース初勝利。M.デムーロ騎手は2010年グランプリボス、2012年ロゴタイプ、2015年リオンディーズとこのレース4勝目。生産したノーザンファームは今年14個目のJRA・GⅠ勝ち。既に過去最高だった昨年の11勝を上回っており、その勢いは止まりません。9番人気のクリノガウディーが2着に入り、単勝1.5倍の1番人気だったグランアレグリアは3着に敗れました。
レースはイッツクールが逃げて、1番人気のグランアレグリアが単独の2番手。それをマークする形でアドマイヤマーズ。その後ろに2着のクリノガウディーと5着のディープダイバーが続きました。後半46秒2─34秒4の後傾ラップ。最初の3ハロン35秒3は過去10年で2番に遅い数字。直前の雨の影響は殆どなく、馬場は標準でしたから、やはり内、前有利と考えていいでしょう。アドマイヤマーズはスタートも良く、軽く促して前へ。そこから抑え込んで、1番人気を見ながらレースを進めます。残り3ハロン標識付近から徐々に仕掛けて、直線に入って前を交わすと、そのまま押し切りました。ポジションが取れて、長く脚を使えるタイプ。これでデビュー戦から無傷の4連勝です。父であるダイワメジャーは同馬以外に4頭のGⅠ馬を出していますが、内訳は高松宮記念、NHKマイルC、桜花賞とマイラー色が強く、それ以外の重賞勝ちも1200m~1600mで占められています。今回は完勝でしたが、距離が延びてから真価を問われそうです。
クリノガウディーは好スタートも無理をせず、勝ち馬の後ろで脚をタメる競馬。4コーナーでは外のディープダイバーと2度ほど接触。直線半ばでアドマイヤの外に出して脚を伸ばしてきましたが、最後に伸び切れなかったあたりは道中で力んでいたことが響いたのでしょうか。藤岡佑介騎手も「2番のスタートを見て位置取りを決めようと思っていました。相手がスッと出たし、それを見ながらのレース。道中少し噛んだのが痛かったです」とのこと。
紅一点グランアレグリアはパドックでポツンと最後尾を周回。同じ二人引きでもサウジアラビアロイヤルCの時よりテンションが高いと感じましたが、レースでは我慢できていました。勝負どころの手応えも十分。直線で外から勝ち馬が来た時も慌てることなく仕掛けを待つ余裕がありましたが、いざ追い出してからが案外。勝ち馬に被せられて怯んだのか、内にモタれていたように初めての右回りが影響したのか。それでも、牡馬相手に渋太く3着を確保と地力は示しました。
ファンタジストは一言で言うと流れ不向き。スタートをポンと出ましたが、外枠でしたし、初めてのマイル戦とあって無理はできず、中団からのレース。今日は枠順の不利もありましたね。上がりの数字は勝ち馬と一緒と決して悪い内容ではなく、マイルの距離にもメドが立ちました。ディープダイバーは4コーナーで内側に斜行して過怠金30,000円。直線も上位馬とは決め手の差を感じました。
text by 小林
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