10月6日に東京競馬場で行われた第70回GⅡ毎日王冠(芝1800m・3歳以上・別定)は単勝オッズ160円と断然の支持を集めた1番人気ダノンキングリーが直線一気を決めて優勝。3歳馬による毎日王冠制覇は2012年のカレンブラックヒル以来。この勝利により、GⅠ天皇賞(秋)の優先出走権を獲得した。鞍上の戸崎圭太騎手が持ち味の瞬発力を引き出し、初めての対戦ながら古馬を撃破。管理するのは美浦・萩原清調教師。ダノンキングリーは北海道浦河町・三嶋牧場の生産馬。馬主は㈱ダノックス。

 

それではレースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 スタート直後に隣のインディチャンプと軽く接触したが、大きな影響はなく、大方の予想通りアエロリットが主導権を握る。2~5ハロン目は11秒3~5で淡々と進み、1000m通過58秒5は開幕週のGⅡとしては落ち着いた流れ。道中で動くような馬も現れず、展開自体は先行有利のパターンだったと考えていいでしょう。

 

【レース分析】 勝ったダノンキングリー(1番人気)がまともに出遅れた時にはスタンドも一瞬、騒然となりましたが、2コーナーを回るまでに馬群の内につけたので折り合いに問題はなく、直線入り口では大外にいた⑥着馬の内を通って外に持ち出すと、そこから1頭だけ次元の違う末脚を見せて、一気に前を捉えました

 

ダノンキングリーの4代血統表

 

 「今日は時計が速くて、前が残る競馬が多かったので、スタートで後手を踏んでしまったのは誤算でしたが、この馬の力を信じて乗りました。終始いい手応えから切れ味を発揮してくれましたし、今日は馬の力に助けられました。夏を越して心身ともに成長が感じられましたし、これから先の活躍が楽しみになる内容だったと思います」とレース後に戸崎圭太騎手もコメント。いくら54キロの斤量だったとはいえ、前述の通り先行有利の流れで、GⅠ好走歴のある年長馬たちを一蹴したのですから、非凡な瞬発力と秋になっての進境度の高さには恐れ入りました(◎ではなかったので‥)。個人的には天皇賞・秋で現役最強クラスとの対戦(次走はマイルCSの予定)を見てみたいという感想を率直に持ちました。

 

 

 ②着アエロリット(2番人気)が自分の◎。津村騎手はテン乗りでしたが、自分の形に持ち込み、しかも一旦は前に出られた③着馬を差し返す期待通りの走りを見せてくれたので、今回は素直に勝ち馬の強さを称えるしかありませんね。次走は天皇賞・秋とのことで1ハロン延長が鍵になりますが、引き続き得意の東京なら見せ場以上があるかもしれません。インディチャンプ(3番人気)は最後に脚勢が鈍って③着。スタート直後に勝ち馬と接触して少し力み、58キロも背負っていましたが、直線を向いた時の手応えは十分だったので、本質的に1800mは若干、長いのでしょう。マイルCSでの巻き返しは十分に考えられます。

 ④着ペルシアンナイト(4番人気)も流れに乗った割には伸びが今ひとつ。▲にして①②着馬との3連複を買っていたのですが、③着馬との差はジリジリとしか詰まりませんでした。こちらも今はマイルがベストで、一線級が相手の中距離だと少し分が悪いようです。⑤着ランフォザローゼス(8番人気)は近2走と比べると大幅に内容が良化。もともと青葉賞②着、ダービー⑦着も0秒6差ですから潜在能力は秘めており、ブリンカー着用でキッカケを掴んだと見ていいでしょう。

 

 

 

                                 text by 五十嵐 友二

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 
 

 
 
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