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第54回 京都牝馬S 回顧

 

2019年2月16日(土) 2回京都7日

 18頭中7頭がターコイズSを経ての参戦。そこで優勝しているミスパンテールが1番人気に選ばれたのも頷けるが、単勝3.7倍と絶対的な中心というわけでもなかった。本紙カットは「高配含み」。結果的にその狙いは間違っていなかったのだが、本紙◎のディメンシオンは右前挫跖のために出走取消。レース前から暗雲が漂う。

 勝ったのは9番人気のデアレガーロ。2着に7番人気のリナーテ、3着には格上挑戦で13番人気のアマルフィコーストが入る波乱。3連単は1,536,660円の高配当。デアレガーロは昨年も池添 謙一騎手とのコンビで2着。見事に雪辱を果たした。大竹 正博調教師はこのレース初めての勝利。それではレースラップへ。

 

 前半3ハロン34秒7はマイル戦だった頃(2016年から1400m)も含めて過去10年で最も速く、馬場差はほぼ標準だったとはいえ、今開催1分21秒0の走破時計は高水準。その中でラスト2ハロン目が11秒フラットという瞬発力も問われる形となり、数字的にはハイレベルな決着。

 デアレガーロは昨年10月27日スワンS以来の実戦。プラス32㎏の馬体だったが、極端に太くは見せず、昨年が476㎏で②着だけに休養前が減り過ぎていた感じ。むしろプラス材料だったと言える。スタートで少しゴチャついたが、怯むことなく、道中は中団で脚をタメることができた。直線は一旦内へ行こうとして、進路がないと判断して外へ。馬場の中ほどからしっかりと伸びて完勝。前述通り、レースレベルは高く、これからが楽しみになる内容だったが、パドックではテンションが高く、今後も精神面が鍵になりそう。

 リナーテは後方でレースを進めて4コーナーで馬群の外へ。直線半ばからグイグイ伸びてきたが、勝った馬が一枚上だった。それでも、決め手はオープン通用を証明。武豊騎手は、「この距離はピッタリだね 」と距離はマイルよりも1400mの方が合っていそう。

 アマルフィコーストは外枠からでもスタートダッシュを決めて2番手でレース。最後は上位2頭に差されたが、馬場の荒れた内めから真っ直ぐ脚を伸ばしてコンマ1秒差の③着。格上挑戦だったことを考えると上出来で、イレ込むことなく落ち着いていた点も好感。

 アルーシャは休み明けでマイナス2㎏。馬体は仕上がっていた。スタートも互角。道中も折り合いはついていたが、直線に向いて外にカイザーバル、前にミスパンテールがいて動きが制限された感じ。その後は伸びているだけに少し勿体ないレースになってしまったが、休み明けの昇級戦でこれだけ走れれば先々は明るい。

 昨年の覇者で1番人気のミスパンテール。終始外めを回る形だったとはいえ、スムーズな競馬はできていた。それでいて、上位とは決め手の差を感じる内容。状態に関しては問題なかっただけに、昨年のヴィクトリアマイル⑤着のこの馬を物差しにすると、やはり今年は素質馬が揃っていたと言えそう。

 ワントゥワンはスタートで少しゴチャついて最後方からのレース。もっとも、いつも通りとも言える。直線は大外からレース最速の上がり33秒8で伸びてきたが、スタートと直線で大外に出す分のロスは少なくなかった感じ。

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。