2019年4月7日(日)

 昨年の2歳女王ダノンファンタジー(2.8倍)が1番人気。グランアレグリア(3.4倍)、クロノジェネシス(5.7倍)、ビーチサンバ(10.7倍)と続いて、2歳GⅠ上位馬がそのまま上位人気に支持されました。新勢力ではエルフィンSを勝ち上がったアクアミラビリス(12.4倍5番人気)が注目を浴びました。週中から降雨がなく、当日も快晴。同じ舞台で行われた7R 4歳500万下で1分34秒2でしたから、桜花賞も好時計が予想されましたが……。

 

 レースはメイショウケイメイ、ジュランビルがスタートを決めて先行しますが、外からプールヴィルが来ると無理せず控えました。前半47秒7─後半45秒0。4R 3歳未勝利(芝1800m)で、800m通過47秒6ですから遅いです。前後半で2秒7もの差があるスローペース。レース上がり33秒3は過去10年と比べて最速。それでいて、時計は昨年アーモンドアイがマークした1.33.1を上回る1.32.7の桜花賞レコードでした。この時計ですから力がないと上位には来られませんが、やはりある程度の位置で運んだ馬が有利な競馬です。

 優勝したグランアレグリアは自力先行。序盤はジュランビルの後ろにあたる3列目。残り1000m標過ぎからジワジワと前に取り付いて、残り600m標では早くも先頭。余力を持って直線に向き、抜け出して内にモタれながらもラチを頼りに後続を突き放し、最後は決定的ともいえる2馬身半差をつけてゴール。強かったです。前半が遅かっただけに、レコードは後半部分によるところが大きいのですが、そこをほぼ自身が作ったわけです。後ろはなす術がありませんでした。昨年のアーモンドアイはシンザン記念勝ち。この馬は朝日杯FS③着。やはり牡馬相手に好勝負を演じた経験値は馬鹿にできません。また、年明け緒戦で桜花賞を制した事例は今回が初めて。調教技術の進歩、陣営の手腕に脱帽ですルメール騎手は史上5人目の桜花賞連覇を達成。難しい馬を完璧にエスコートしました。

 余談ですが、レース後のルメール騎手による「2400mだと少し難しいけど、いいスピードを持っている」は完全にコントラチェックとの使い分けを意識したコメントに映りました。本当にオークスで桜の女王不在なら少し寂しいですね。

 シゲルピンクダイヤは繋靱帯炎明けで満足に追えず、それでいて体を減らしていたチューリップ賞からプラス6㎏。上積みを見込める状況でしたが、それにしてもレース最速の上がり32秒7を使って②着は立派。このペースでスタートの出遅れを考えると、非常に中身の濃い競馬をしています。直線は一瞬だけ前が詰まった以外はうまい具合にスペースがあり、ロスを最小限に止める乗り方をした和田騎手も見事でした。

 クロノジェネシスは馬込みで少し頭を上げる場面がありましたが、何とかなだめて中団を追走。痛かったのは直線に向いて外のノーワンにフタをされて追い出しが遅れたこと。その後の伸びは目立っていただけにスムーズならもっと差は詰まっていたはず。それでも勝ち馬には及ばなかったでしょうが。

 1番人気のダノンファンタジーは行きたがっていましたね。ペースが遅く、外枠で前に馬を置けなかったのが響きました。ちょうど勝ち馬をマークする位置取りでしたが、相手に先に動かれて突き放されたように内容的には完敗。力は示していますが、これ以上距離が延びると厳しそうです。

 ビーチサンバは全体にうまく乗られていました。現状の力は発揮できたと思います。プールヴィルは大外枠から意表をついた逃げで見せ場十分。アクアミラビリスはマイナス10㎏。少し華奢に映りましたし、持ち時計の1分35秒5から大幅に時計が詰まる決着では厳しかったようです。

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。