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第79回 皐月賞 回顧

 4月14日に行われた第79回GⅠ皐月賞は1番人気に支持されたサートゥルナーリアが接戦を制して優勝。昨年暮れのGⅠホープフルS以来、“ぶっつけ”での出走ながらクラシック第1関門を見事に突破しました。無敗のまま皐月賞を制したのは2005年のディープインパクト以来、14年ぶり。C.ルメール騎手は前週の桜花賞に続き、2週続けてのGⅠ勝利。管理するのは角居勝彦調教師サートゥルナーリアは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)キャロットファーム。

 

 

それではレースを振り返りましょう。

 

【展開・ペース】大方の予想通り内目の枠からランスオブプラーナがハナに立ちましたが、外からダディーズマインドも積極的に前に出てきたので2ハロン目が10秒5と1コーナーまではペースが落ち着かず。前半5ハロン通過も59秒1で近年の皐月賞と同様、緩みのない流れで推移。それでも、レースのラスト3ハロンはすべて11秒台と速く、スピードの持続力か、瞬発力、またはその両方が要求されて、決着時計は2017年にアルアインが記録したレースレコードと0秒3差。上位馬のレースぶりの質の高さは数字にも表れています。

 

パドックを歩くサートゥルナーリア(撮影:yu~kun)

 

【レース分析】勝ったサートゥルナーリア(1番人気)は年明け緒戦でも体重は4キロ減。太目感はなく、この血統にしては落ち着いている印象も前回と同じでしたが、正直、馬体のメリハリや雰囲気、時季的なモノを考慮した毛ヅヤなどは、関東圏に初めて登場し、見ることができたホープフルSの時の方が上でした。それでも、経験のなかった緩みのない流れに対応して、馬群の外を回して勝ち切ったあたりが能力の高さでしょう

騎乗したC.ルメール騎手も「前走のレースぶり強かったですし、調教でも跨って、いい感触を掴んでいましたから、自信を持って臨みました。最後の直線でスタンドを気にして内にモタれてしまったけど、しっかり伸びてくれていたので大丈夫でした。今回は休み明けで100%の状態ではなかったと思うので、トップコンディションになれば、もっともっといい走りができると思います」とコメント。やはり春の最終目標はGⅠ日本ダービーでしょうし、そこに向けて上昇の余地を残して進むのであれば、無敗で2冠制覇の期待が高まるのは当然ですね

 

サートゥルナーリアの4代血統表

 

 ②着のヴェロックス(4番人気)は返し馬に入る際に若干、テンションが高目でしたが、これは許容範囲内。レースでも勝ち馬の一歩前から正攻法の競馬をして、直線では相手に寄られて接触する不利がありながら、最後まで伸びて連対を確保しました。単純に今回のレース内容だけなら①着馬と遜色ない走りと言っても問題ないと思いますし、「強い勝ち馬に差を詰めて走ることができましたし、ダービーで逆転できるように、これからの時間を過ごしていきたいと思います」という川田騎手のコメントには敗戦の悔しさ、再戦に向けての闘志が感じられました。

 当日、素晴らしい仕上がりに映ったのが③着ダノンキングリー(3番人気)で、黒光りした馬体に、適度な気合乗りも目を引きました。好位の内に控えたレース運びも完璧で、直線も一瞬は突き抜けそうな脚勢。上位馬との着差も僅かで、最内と外目と、通ったコースの馬場コンディションの差もあったかもしれません。ダービーに向かうと2ハロン延長が課題になる反面、長い直線+パンパンの芝で瞬発力勝負になった際には、勝機もありそうな気がしています。

 

 

 ④着アドマイヤマーズ(2番人気)も好枠を利した立ち回りでしたが、③着馬から2馬身というのは決定的な着差。緩みない流れだと2000mは少し長い印象を受けましたが、次走がNHKマイルCなら今回の経験を糧にして、巻き返しは必至でしょう。レースVTRを数回、見た今の段階で、⑤着以下にダービーで激変を予感させるような走りをした馬は見つかっていません。

 

                                 text by 五十嵐

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 
 
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