8月4日に新潟競馬場で行われた第11回GⅢレパードS(ダート1800m・3歳・馬齢)は単勝10番人気の伏兵ハヤヤッコが優勝。これが白毛馬として初めてとなるJRA重賞制覇に。急逝したディープインパクト追悼競走と銘打たれたレースを制したのはディープインパクトの馬主である金子真人オーナー(馬主名義は金子真人ホールディングス㈱)の所有馬だったのは偶然か必然か。父キングカメハメハ、母マシュマロ、その母シラユキヒメも同オーナーの所有馬として知られている。手綱を取った田辺裕信騎手はこれでラジオNIKKEI賞から重賞騎乗機会4連勝を達成。管理するのは美浦・国枝栄調教師。ハヤヤッコは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は金子真人ホールディングス㈱。

 

それでは京増TMにレースを振り返ってもらいましょう。

 

 

【展開・ペース】 今年のレパードSは、展開が勝敗を分けたと言えるだろう。スタートから我先にと飛び出した8〜9頭が1コーナーに殺到。そこから抜け出たハヤブサナンデクンサトノギャロスが並んで前を引っ張り、その後ろをビルジキールが追う形。向正面に入ってハヤブサナンデクンが先手争いに決着をつけて単独先頭の形となったが、テンの3ハロン通過が34秒6、5ハロン通過は60秒1という超の付くハイペース。自然と直線では差しタイプが台頭した。

 

【レース分析】 ハヤヤッコはパドックでうるさい仕草を見せていたものの、許容範囲内という程度。新潟競馬場に滞在して調整を行ったのがプラスに作用し、輸送がない分、極端にイレ込むことはなく、仕上がりの方も良かった。

レースはペースを読み切った田辺裕信騎手の決め打ちが、ズバリとハマって後方一気の差し切り勝ち。過去、良馬場で施行されたレパードSは今回を含めて8回。その中で1分51秒3という勝ち時計は3番目に速く、優秀な数字だ。差し有利に傾いた展開の恩恵は大きかったが、ハヤヤッコ自身が一戦毎に力をつけているのは確かだ。

 

ハヤヤッコの4代血統表

 

 「前の位置を取りに行こうとしたんですが、流れが速くなると思ったので付いていかずに、後方から差す形に切り替えました。いい脚を使ってくれましたし、これで脚質に幅が広がったと思います。距離の融通も利きそうなので、これからが楽しみです」田辺裕信騎手。今後、年長馬と対戦していく上でも戦法に幅が出たのは収穫。ちなみにレパードSで美浦所属馬によるワンツーは2014年以来、2度目。1~3着を独占したのはこれが初めて。上位陣が世代の王座に君臨する関西馬クリソベリルの牙城を崩すことが出来るのか!?対戦する秋が待ち遠しい。

 

 

 1番人気のデルマルーヴルは、体をスッキリ見せて張りが良く、帰国緒戦となったジャパンダートダービーを使われて上積みは十分。中団のやや後方に控え、ペースが少し緩んだ向正面からスパートを開始。内をロスなく捌いて抜け出しを図ったが、勝ち馬に離れた外から差されて足元をすくわれた感じ。これは展開のアヤ。勝ちに等しい②着と言える

 ③着トイガーはパドックの気配はそれほど目立たなかったが、実戦タイプなのだろうか。スタートで出遅れたものの、展開を考えればこれは結果オーライ。バテた馬を内から捌きつつ、渋太く脚を伸ばした。

 ブルベアイリーデ丸山騎手の腹を括った後方待機からの末脚勝負が嵌まりそうだったが、ゴール寸前で脚いろが鈍って➃着。このあたりはキンシャサノキセキ産駒。いくらか距離が長かったと考えられる。

 さて、最も強い競馬をしたのは⑤着サトノギャロスで異論はないところだろう。序盤はハナを切るつもりで積極的に先行したが、同型にビッシリと競られて超ハイペースに。しかも、初めての1800m起用でありながら2番手から驚異的な粘りを見せて0秒3差に踏みとどまったのは立派の一言。今後の成長次第では、かなり出世できる器だと感じる。次走以降もその走りに注目したい。

 

 

                                 text by 京増真臣

 

ありがとう、ディープインパクト

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 
 

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