9月7日に中山競馬場で行われた第4回GⅢ紫苑S(芝2000m・3歳牝馬・馬齢)は単勝2番人気に支持されたパッシングスルーが優勝。この結果、②着フェアリーポルカ、③着カレンブーケドールを含めた3頭が秋華賞への優先出走権を獲得した。パッシングスルーに騎乗したのは戸崎圭太騎手。管理する美浦・黒岩陽一調教師にとってはリッカルドで制した16年エルムS以来となるJRA重賞制覇となった。パッシングスルーは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)キャロットファーム。
それでは京増TMにレースを振り返ってもらいましょう。
【展開・ペース】 メイクハッピーがハナを叩き、前半1000m通過は60秒5のスローペ
【レース分析】 パッシングスルーは前走時と比較して8キロの馬体増。体が逞しくなってきた印象が強く、ひと夏を越しての成長は確か。1周目のホームストレッチでカレンブーケドールが上昇するのに合わせて3番手につけた。そこからは前を走るカレンブーケードールをピッタリとマーク。直線で追い比べに持ち込めた。ゴール前はフェアリーポルカの脚いろが優勢に映ったが、ゴールの瞬間だけ僅かに前に出て接戦をモノにした。この秋の中山芝コースは例年以上に高速化しており走破タイムは鵜呑みにはできないか。
「大外枠がどうかと思っていましたが、スタートが良かったですし、二の脚がついてスムーズに3番手が取れました。道中の手応えも良かったので、あとは仕掛けどころを間違えなければと思っていました。乗りやすい馬で、牝馬の割にパワーがあります。GⅠの舞台でも期待できると思います」と1勝クラス、重賞と連勝に導いた戸崎圭太騎手はパートナーの走りを称えるコメント。この後は一旦、ノーザンファーム天栄へ放牧。成長を促しつつ、秋華賞、エリザベス女王杯などGⅠレースを目指す予定のようだ。
フェアリーポルカはオークス以来の出走で馬体が増えてプラス16キロ。ただ、太目感はなく、これは成長分だろう。逃げ馬の直後を追走し、ポケットに収まる。直
本命に推したカレンブーケドールは太目感なく馬体は仕上がっていたが、普段、調教に使う南ウッドチップコースが閉鎖されていた影響
④着に入ったレッドベルディエスは中団、後方待機組には不利な展開を外を回って0秒3差まで追い上げてきた。中身の濃いレースぶり。自己条件に替われば確勝級だろう。
text by 京増 真臣
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