競馬 研究ニュース

第36回 ホープフルS 回顧

 

 12月28日に中山競馬場で行われた第36回GⅠホープフルS(芝2000m・2歳・定量)はコントレイル(単勝1番人気)が優勝。デビュー戦から土付かずのまま3連勝。GⅠ制覇を成し遂げた。鞍上はデビュー戦でコンビを組んだ福永祐一騎手。管理するのは栗東・矢作芳人調教師。コントレイルは北海道新冠町㈱ノースヒルズの生産馬。馬主は前田晋二さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

【展開・ペース】 好スタートからパンサラッサがハナを奪取。内からブルーミングスカイ、外からラインベックがこれに続いた。パンサラッサは主導権を握ってからも極端にペースを落とすことはせず、12秒台前半のラップを刻みながら軽快に飛ばす。レースを1000mで2分すると、前半60秒9ー後半60秒5。ほぼイーブンの平均ペース。

 

パドックを歩くコントレイル(撮影:yu~kun)

 

【レース分析】 コントレイルは、パドックでいくらかテンションが高く、うるさい面を見せていたが、この程度は許容範囲内と思えるレベル。東スポ杯2歳Sから馬体重はプラス6キロ。馬体を見ると張りが抜群。また研ぎ澄まされたような造りをしていた。レースは無難にスタートを決めると好位の4番手を追走。福永祐一騎手がなだめながら、折り合いに専念。3、4コーナーを手応え良く回ると、直線は軽く追った程度で楽に抜け出して見せた。中山の芝は時計がかかり始めて、有馬記念当時よりもタフなコンディションへと変化。ディープインパクト産駒にとっては不向きと思える馬場で、このパフォーマンス。まさにモノが違った。

 

コントレイルの4代血統表

 

 「前に馬を置く形でうまく我慢して運べました。非常に楽な手応えで直線に向いてどのくらい突き抜けるかと思いましたが、先頭に立って躊躇する面がありました。前回、ライアン(R.ムーア騎手)が最後までびっしり追ったのが分かりましたね。オーナーからはダービーを目標にと言われていますが、それを踏まえて内容、結果ともに言うことない走りでした。いずれは日本を代表するような馬になってほしいです」福永祐一騎手。東京コースで破格のレコード勝ちを決めると、今度はコーナー4回、タフな中山の芝2000mを攻略。今年、急逝した父ディープインパクトの晩年の傑作となるか。

 

 

 ②着のヴェルトライゼンデは、均整の取れた好馬体。関西馬で競馬場で見るのは初めてだったが、滑らかな身のこなしも目を引いた。道中はコントレイルをピッタリとマークするように追走。3コーナーからライバルに合わせて進出を試みるが、その差はなかなか詰まらない。直線に向いて、しっかりと脚を使ったが、馬体を並べることは叶わず。今日に関しては相手が悪かった。

 

 

 ワーケアは、ハーツクライ産駒特有の緩さはあるが、動きの方は柔らかみ十分。スタート後に他馬と接触して位置取りが後ろに。ジックリ構えて、後方から差を詰めて見せ場は作ったが、③着まで。レース運びなど現時点での完成度の差が出た印象。それに、ノビノビ走れる広いコースの方がいいタイプだろう

 

 

                                 text by 京増 真臣

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 
 

 
 
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