マイルで才能、覚醒

 

 2018年4月7日(土)3回中山5日目11R第36回ニュージーランドトロフィー(GⅡ)。勝ったのは単勝2番人気に支持されたカツジ(父ディープインパクト×母メリッサ)。母は10年、GⅢ北九州記念を制したメリッサ。初勝利を挙げた1600mに戻って鮮やかな差し切り勝ちを決めた。鞍上は松山弘平騎手。生産は新ひだか町の岡田スタッド。馬主は(株)カナヤマホールディングス。管理する池添兼雄調教師にとっては17年の金鯱賞(ヤマカツエース)以来となるJRA重賞制覇。この結果によりカツジ、②着ケイアイノーテック、③着デルタバローズの3頭がNHKマイルカップの優先出走権を獲得しました。

 

それではレースを振り返りましょう。

 

勝ち時計 1.34.2(曇・良)

前半4F → 後半4F 47.1 → 47.1 (Mペース)

12.5 – 11.1 – 11.6 – 11.9 – 12.0 – 12.1 – 11.6 – 11.4

 

関東圏へ輸送してもイレ込むことなくパドックを周回したカツジ。馬体もスッキリ見せて、万全の仕上がり。(Photo by yu~kun

 

【展開・ペース】

 スタートで多少、ヨレたカシアスだったが、行き脚がつくと内のコスモイグナーツを制してハナを奪取。前半600m通過は35秒2。そこから11秒後半~12秒台のラップが続いて先行勢は十分に息を入れられたはずだが、直線に向くと瞬発力に優るディープインパクト産駒カツジケイアイノーテックが鋭く伸びてワンツーを決めた。

 

【レース分析】

 「きさらぎ賞は力んで走っていたし、太目もあった。立て直した今回は(前走とは)まったく違うし、マイルもいい。気性的に輸送も問題ないと思うので、いい競馬をして本番に弾みを」とは研究ニュース当日版に掲載されたカツジを管理する池添兼雄師のコメント。今回のポイントは馬体、輸送、折り合いの3つ。まず、馬体はレース当日がマイナス12キロ。体の線はシャープでありながらノビノビとパドックを周回と輸送も無事クリア。そして、レースではリズム良く、折り合って後方待機。中団を進むも外から被せられると掛かり気味に進出して伸びあぐねた、きさらぎ賞の敗戦を糧に、松山騎手が母メリッサを彷彿とさせるような末脚を引き出した。先行勢、内をロスなく立ち回った馬に有利な展開を外から差し切ったあたりは文句のない勝ちっぷり。

「ゴール前は接戦でしたが、力強くグッと出て勝ってくれました。スタートは出たんですが、自分から進んでいかなかったのでリズムを大切にジックリ乗りました。直線は外に出してからいい脚でした。まだ成長途上ですが、本当にいい馬です。また依頼されれば、全力で頑張りたいと思います」と語った松山騎手。これに応えるように池添師は「今回はキッチリ仕上げたのでこのくらい走ってくれなければ困ると思っていました。いろんな競馬が出来そうなので楽しみが増えました。本番も鞍上は松山騎手で、NHKマイルCへ直行する予定です」とコメント。これでマイル戦に限れば①②①着。12年カレンブラックヒル以来となるニュージーランドトロフィー優勝からのNHKマイルC制覇に挑みます。

 

カツジの4代血統表

 

 ②着ケイアイノーテックも前走から馬体重はマイナス12キロ。細くは見えなかったものの、輸送で体を減らしてしまった点は誤算だったか。速くはないペースを考慮して3~4コーナーでスパート。直線半ばではデルタバローズを追い落として一旦先頭。最後はカツジに僅かに競り負けたが、終始、外を回るロスがありながら勝ち負けに持ち込んだ点は高く評価できる。

 

カツジVSケイアイノーテック。ゴール前は手に汗握る攻防に!

 

 デルタバローズは好位のインを追走。ゆったりとした流れを考慮すると絶好のポジションに収まった。直線はスムーズに馬場の真ん中へ持ち出したが、伸び負けて③着。キャリアはこれが3戦目。今日のところは上位2頭とは瞬発力と経験値の差が出たか。➃着はゴールドギア。道中は最後方を進み、勝ち馬より外を回って0秒1差。重賞でも上位争いできる脚力があることを証明。脚質が定まった印象だ。

 

text by 藤原

 

  ※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

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