旅うまチャレンジスタンプラリー高知(後編)

 

 前日夜に居酒屋でカツオのたたきを堪能して迎えた黒船賞当日(3月20日)は、午前中こそ雨が上がっていましたが、午後からは再び雨。桜は満開でも昨年とは打って変わって肌寒い一日となりました。

 

 無料バスで競馬場へ向かい、恒例の先着プレゼント「芋けんぴ」をゲット。新聞を購入して場内をブラブラしていると、モニターで「モーニング展望。」が始まりました。

 

 「モーニング展望。」というのは、1レース前にジョッキーと記者が出演し、軽快なトーク、展望を行う番組です。レース前にジョッキーが生出演して当日の騎乗馬についてコメントするなんて驚きの番組です。

 そしてその司会を務めるのが実況も行っている橋口浩二アナです。橋口アナはいろいろと凄い方で、あのハルウララブームの火付け役であるだけでなく、高知競馬のファンファーレの作曲、公式ハロンタイムの計測などもされているということなのです。

 私自身、橋口アナのファンでもあります。とにかくかっこいい、ダンディ。実況が分かりやすく聴きやすいのは勿論のこと、細かい情報もご紹介されますし、協賛レースのメッセージも心をこめて読み上げます。まさに高知競馬のことを思い、高知競馬を愛している方だと思います。

モーニング展望

 

 続きましてはグルメです。開いている店舗が少なかったのですが、パドック近くにある「まるまん」の屋台でビール(400円)とやきそば(350円)とやきとり(100円)をオーダーしてみました、愛想の良いおっちゃんとおばちゃんがニコニコしながらビールとやきそばを「はい」と出してくれてました。(やきとりはどうなったんだろう……)と思いながらお互いしばしの沈黙。おそるおそる「やきとりは……」と切り出すと、ほんの1分くらい前の注文をお忘れでした。同時注文は2つまで(?)がいいかもしれません。

 次は「まるまん」の裏手にある「コーヒースタンド」で高知名物という「アイスクリン(200円)」をオーダー。味は4種類あり、「ソーダ―」味をチョイス。アイスクリームとシャーベットの中間のような食感でおいしかったです(寒かったですが)。

「まるまん」屋台

「コーヒースタンド」

アイスクリン

 

 寒いとトイレが近くなるというもので、トイレへ向かうとこれがまた非常に綺麗で、どこかの大型商業施設のような内装となっています。用を足すのも快適です。

 また、高知ではキャッシュレス投票システムが導入されており、キャッシュレス投票会員限定ではありますが「女性専用ラウンジ」なるものも用意されていますので、女性も快適にレース観戦することが可能となっています。

 

 さて、条件交流の「はりまや盃」に続いて行われた黒船賞は水の浮く不良馬場となり、単勝234.3倍のエイシンヴァラー(兵庫)がJRA勢を向こうに回し、第1回の地元リバーセキトバ以来20年ぶりの地方所属馬勝利という大金星での重賞初制覇となりました。今回はゴール前でなく4角に陣取った私はその瞬間を見逃すという失態を犯してしまったわけですが、なんと、自身の馬券が当たってしまったのです。

 本命はキングズガードだった私ですが、エイシンヴァラーは前走は輸送トラブルなどもあり力を出せずじまい。当日はパドックでの気配が抜群に見え、馬体は大きく減らしていたもののJRAでの好走時と変わりはなく、JRA時代、そして園田、笠松の速い馬場での実績もあり、当日の速い馬場も踏まえると、これはひょっとすればひょっとするぞと相手に入れていたため3連複ではありますが、万馬券的中となりました。

黒船賞スタート

黒船賞4コーナー

 

 大金星の下原騎手は「掲示板が目標だったのですが、それ以上に馬が応えてくれました。最後は関係者の馬の造りのおかげだと思いました。大先輩の岩田さんをやっつけて気持ち良かったです(笑)」と笑顔で話していました。

 その後は一気に人が少なくなった競馬場で馬券を買い続けたものの、黒船賞で運を使い果たしたのかハズレ続きだったため、早目に切り上げて駅へ戻り、前日に続いてカツオのたたきを堪能、その他にもおいしいものを食べ過ぎたおかげで、高知で更に太って帰ってきてしまいました。

表彰式

 

 高知唯一のダートグレードは終わってしまいましたが、高知ではこれから3歳クラシック「黒潮ダービー高知優駿」へ向けた戦いが始まります。3月25日には3歳最初の重賞「土佐春花賞」が行われました。昨年の2歳重賞2レースで1着2着を分け合った新馬戦勝ち馬ネオプリンセスと13戦連続連対中のヴァリヤンツリの2強が人気に推されたものの、JRA未勝利から転入してきた伏兵のスターアイリスが2連勝で一気の重賞制覇となり、高知のクラシック戦線は混沌としてきました。ヴァリヤンツリは最後で甘くなり3着に敗れはしたものの、自ら勝ちに出て負けて強しの内容。ネオプリンセスは失速して9着に終わりましたが、今回は3カ月ぶりの実戦でした。2着のレマンコはキャリアを重ねて力をつけてきた印象で、4月8日に行われた新設の準重賞「仙台屋桜特別」では、スターアイリスを逆転して勝利を収めています。5月6日に行われる一冠目「黒潮皐月賞」ではこの2レースの上位3頭がまた入れ替わるのか、あるいは新たな新星が現れるのか、非常に楽しみになりました。

   黒潮皐月賞では過去10年で6勝を挙げている中西達也騎手に注目……、と言いたいところですが、昨年調教師へと転身されたので中西達也厩舎の所属馬に注目したいですね。西森鶴オーナーが過去10年で7勝というのも目立ちます。また、毎年のように地方競馬年間勝利数でトップを争う雑賀正光厩舎、3400勝以上を挙げている高知の第一人者、赤岡修次騎手がどの馬で参戦してくるかも注目です。

 高知編いかがでしたでしょうか。黒船賞が終わってもまだまだ高知では熱い戦いが続いていきます。私は仕事のため行けませんが、今年の福永洋一記念は5月3日のゴールデンウィークですのでまだ間に合います(洋一さんは体調、都合などで来場されない場合もあります)。携わる全ての人の「高知競馬愛」が溢れる高知競馬場、ぜひご来場ください!

 

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競馬ブック M.M

 競馬があるところにはどこへでも足を運び、JRA、地方競馬場を踏破。2016年には香港にも遠征。JRAは勿論だが、地方競馬が大好物。ただ、馬券はド下手という致命的な弱点を持つ。どうしても競馬に関わる仕事がしたいと一念発起して、2017年競馬ブックに転職。業務で校正など、日々「日本語」と格闘中。