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第60回 京成杯 回顧

 

 1月19日に中山競馬場で行われた第60回GⅢ京成杯(芝2000m・3歳・別定)はクリスタルブラック(単勝7番人気)が豪快に差し切って優勝。新馬戦に続き、連勝で重賞タイトルを射止めた。鞍上の吉田豊騎手にとっては頸椎骨折などによる長期休養から復帰後、初めての重賞制覇。管理する美浦・高橋文雅調教師は開業9年目でのJRA重賞初勝利。トレーナーは2000年から大久保洋吉厩舎(2015年に勇退)に厩務員、調教助手として所属。同じく大久保洋吉厩舎に所属し、数々の大レースを制した吉田豊騎手とのタッグでクラシック戦線へと向かう。クリスタルブラックは北海道新冠町の大狩部牧場の生産馬。馬主は岡田勇さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】ロールオブサンダーがハナを奪取。前2走は逃げて結果を出していたヒュッゲが2番手に控えたことで、前半1000m通過タイムは61秒5。決して速くはなく、先行勢が有利かと思われたが・・・。土曜の降雪、降雨の影響で外が伸びる差しの利きやすい馬場になっていた影響もあり、逃げ・先行タイプは苦戦を強いられた

 

▲パドックを歩くクリスタルブラック(撮影:yu~kun)

 

【レース分析】 クリスタルブラックは、パドック、本馬場入場の際にいくらかうるさい面を見せていたが、デビュー戦と比較すると当時より落ち着きがあった。馬体はぐっと引き締まっていて1度使われての上積みが十分に感じられた。レース序盤は折り合いを重視し、後方を追走。3コーナー付近から馬場のいい外めへと誘導した吉田豊騎手の判断が見事に奏功。一旦は完全に抜け出したスカイグルーヴを差し切った点も立派でなかなか強い勝ちっぷりだった「1、2コーナーで掛かったりと1度使って気合乗りが変わっていたのでどうかと思いましたが、勝負どころで外に出したら伸びそうな感じがありました。新馬戦も最後は外からいい脚を使ってくれましたし、内の馬場も傷んできたので内枠でしたが、今回も外に出しました。乗り味のいい馬。今回はテンションが高かったので、落ち着きが出てくればもっと良くなると思います」吉田豊騎手。

 

クリスタルブラックの4代血統表

 

 ②着はスカイグルーヴ(1番人気)。ピリピリしやすい血統的な特徴から2戦目でテンションが高くなるのではと懸念されていたが、当日は落ち着きを保っており、体に無駄もなく、仕上がりは良好。大外枠からロールオブサンダーヒュッゲと並ぶようにして3番手追走。2頭の外を走る形になったが、折り合いがついて上手なレースができた。最後は勝ち馬の決め手に屈したものの、折り合いやテンションなどの課題はしっかりとクリア。初戦の東京戦とは異質の馬場、コースで牡馬相手に賞金を加算することにも成功した。

 

 

 ③着のディアスティマはパドックで活気あふれる周回を見せて上々の気配。ゴール前は上位2頭に少し離されてしまったが、好位を進んで渋太く流れ込んだ。切れ味を削がれるようなディープインパクト産駒にとっては不向きな馬場での健闘。これは評価できる

 

引き上げてきた吉田豊騎手を迎える高橋文雅調教師とスタッフの方々(撮影:yu~kun)

 

                                 text by 京増 真臣

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・今年は①②着が新馬組。2頭の前走は芝1800、芝2000mだからこれは過去の傾向通り。1勝クラス組では前走③着のディアスティマが③着に食い込んだ。来年以降、同組は前走で③着以内であれば買い目に加えることをオススメしたい。

〇血統・・・今年、ディープインパクト産駒は2頭出走して③⑨着。馬券に絡む活躍を見せただけに来年以降は安直に”消し”と判断しない方が無難か。コラムでは母父ディープインパクトの馬が好調と記したが、今年はディープインパクトの孫にあたるクリスタルブラック(父キズナ)が優勝。父方でも、母方でもディープインパクトの孫には要注意。

〇阪神芝2000m連対組・・・結論の項で推したヒュッゲは残念ながら⑩着に惨敗。ただし、前走阪神芝2000mで③着だったディアスティマが馬券圏内を確保。まずまずの結果が出たように関連は深い。そこで枠を広げて2015年以降、前走が阪神芝2000mで③着以内に入っていた馬を調べると[1・0・3・3]。複勝回収率は174%。

 


 
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