勢いに乗り、古豪らを一蹴!

 2017年3月25日(土)3回中山1日11R 第65回日経賞(GⅡ)は、シャケトラが優勝。昨年6月にデビュー(未勝利)勝ちしてから9カ月半で重賞を制しました。勝ちタイムは2分32秒8。その勝利からおよそ7時間後、デビューから11カ月のアロゲートが強烈なインパクトを残してドバイワールドカップを制覇。さらにそこから14時間後、今度は高松宮記念を初勝利から約1年しか経っていないセイウンコウセイが勝利。国内外、様々な路線に新しい風が吹いたそんな週末だったように思います。

それでは、レースラップです。

6.9 – 11.4 – 12.3 – 12.3 – 12.2 – 12.9 – 12.5 – 12.2 – 12.0 – 11.9 – 11.8 – 11.8 – 12.6

 前半1000mの通過は61秒台。しかし、ハナを切ったヤマカツライデン(津村騎手)が2周目の向正面でペースを落とさなかったことにより地力勝負に。馬群は縦に長くなり、3、4角にかけて力の劣る馬は厳しい流れに付いていけずに後退していきました。後方待機組にとっては仕掛けが難しい中で、好騎乗が光ったのは今回がシャケトラと初コンビを組んだ田辺騎手でした。絶妙のタイミングで動き出し、勢いに乗ったまま直線を迎えると鮮やかな差し切り。勿論、シャケトラ自身の能力があればこそできた芸当でもあります。初めての東上+コースで結果を出したあたり充実一途。シングスピールはローエングリンやアサクサデンエンの父として知られていますが、母父としてもシャケトラだけでなくローブティサージュ、シンハライトを輩出。現役時にドバイワールドカップ、ジャパンカップなどを制した優秀な遺伝子は本邦でもしっかりと受け継がれています。

 2着のミライヘノツバサは、正攻法の競馬で惜しい2着。中山巧者ではありますが、緩みのないラップ構成だった点を踏まえると地力強化は疑いようがありません。一昨年の優勝馬アドマイヤデウスが3着。有馬記念以来でしたが、休み明けは滅法走りますね。レインボーラインは内で窮屈になりかけましたが、脚を見せて4着。馬体が増えていましたし、次につながる競馬はできたと思います。ディーマジェスティは先を見据えた仕上げの分、勝負どころの反応が今ひとつ。追い上げましたが、本来の実力を思えば物足りなさが残りました。次走も過信禁物でしょうか。

 1番人気に推されたのは昨年の覇者ゴールドアクター。もともとテンションの高いタイプですが、いつも以上にうるさかった印象を受けました。ただ、それが直接の敗因ではなくて、昨年のジャパンカップ→有馬記念もそうでしたが、重賞を連勝していた当時に比べると能力に多少翳りが感じられます。他馬より重い57キロを背負うだけに、予想としては評価を下げるべきだったかも知れません。

text by 京増真臣/構成・藤原

 

 

 

 

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