2月の予兆 復活の3月

 2017年3月26日(日)3回中山2日11R 第24回マーチS(GⅢ)は、インカンテーションが優勝。15年5月に平安Sを勝利後は度重なる故障に見舞われる不運。しかし、昨秋、みやこSで復帰後はコンスタントにレースを使えるように。そして迎えた今年3戦目。いくつも重賞を制し、GⅠ2着もある実力馬が苦難を乗り越えて見事に復活を遂げました。

それでは、レースラップです。

12.7 – 11.7 – 12.2 – 12.1 – 12.0 – 12.7 – 12.3 – 12.5 – 13.8

 レースはコクスイセンが緩みのないペースで飛ばし、前半1000m通過は60秒7。脚抜きのいい馬場コンディションと2番手グループが深追いしなかったことにより先行、好位勢に有利な展開に。インカンテーションは好位の内でロスなく運び、直線で力強く抜け出しました。前走のフェブラリーSは13着でしたが、果敢に速いラップを刻んで先導。直線に入ると後続に交わされてしまいますが、バタッとは止まらず復調が感じられる内容。ここまで重賞を3勝と実績的には今回の組み合わせでは最上位の存在。7歳でもキャリアは今回を含めて27戦と使ったレース数が少なく、まだまだ若々しいですね。これで稍重のダートでは3戦3勝。勝浦騎手は初騎乗でしたが、最高の結果を残しました。昨年のダイヤモンドS(トゥインクル)以来のJRA重賞勝ち。

 2着ディアデルレイは好位から押して進出し、直線半ばでは一旦先頭を窺うシーン。母ディアデラノビア(フローラSなど重賞3勝)、全姉ディアデラマドレ(府中牝馬Sなど重賞3勝)という良血馬がダートに矛先を向けて本格化。次走も注目したいですね。直線でうまく外目に持ち出して差を詰めたアルタイルが3着。ハンデ戦で斤量的に有利だった点は否めませんが、中団、後方待機勢で掲示板に載ったのはこの馬だけでした。

 1番人気だったコスモカナディアンは12着。22日には素晴らしい動きを見せていましたが、関西遠征後の中1週の影響があったんでしょうか。掛かり気味に手応え良くポジションを上げていく、いつもの走りが見られませんでした。ただ、重賞の厳しい流れを経験できたことは今後の財産になるはず。4歳ですからまだまだ成長の余地も残しています。

text by 京増真臣/構成・藤原

 

 

 

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