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第57回 弥生賞ディープインパクト記念 回顧

 

 3月8日に中山競馬場で行われた第57回GⅡ弥生賞ディープインパクト記念(芝2000m・3歳・馬齢)はサトノフラッグ(単勝2番人気)が馬群の外を回って進出し、差し切り勝ちを決めたサトノフラッグはこれで未勝利戦から3連勝。今年から父の名を冠せられたレースを出走馬中、唯一のディープインパクト産駒が制した。鞍上の武豊騎手にとっては8度目の同一レース優勝に。また管理する美浦・国枝栄調教師は2013年のカミノタサハラ以来となる同レース2勝目となった。この結果、③着までに入ったサトノフラッグワーケアオーソリティが4月19日に中山競馬場で行われるGⅠ皐月賞の優先出走権を獲得した。サトノフラッグは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(株)サトミホースカンパニー。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 戦前からハナ候補と想定されていたのはパンサラッサ。単独で先頭に立ったところにウインカーネリアンが絡んで主導権を奪う。前半1000m通過は61秒1。前の3頭が後続を離し、速いペースで飛ばしていく。後半の1000mは61秒8。先行した3頭は3コーナー付近でリードが壊滅。4番手以降の馬たちが上位を争った

 

【レース分析】 サトノフラッグはデビューから大きな馬体重の変動はないが、実戦を使われる毎に段々と馬体が引き締まってきた。柔軟な身のこなしをしており、1月以来でも好仕上がり。最内枠からスタートを決めると、武豊騎手はすぐ、状態のいい馬場の外めへとエスコート。道中は上位人気に推されたオーソリティワーケアをマークしながら進む。4コーナーで外へ持ち出そうとしたワーケアに蓋をするように、絶妙のタイミングで進出を開始。重馬場に一抹の不安もあったが、直線は豪快に抜け出して快勝。決して得意とは思えない道悪でこの結果。ここを勝ったことで2歳GⅠを勝ったコントレイル、そしてサリオス迫る存在に浮上。有力候補としてクラシック本番へと向かう。

 

サトノフラッグの4代血統表

 

「初めて跨りましたが、馬上から眺めた感じが父に似ていましたね。3コーナーで自分から上がっていこうとしてくれて、父が中山で走っていた時と同じような感じでした。まだまだ良くなると思いますし、良馬場ならもっといい走りができそうです。今日はいいレースができました。この先が非常に楽しみです」武豊騎手。ディープインパクト産駒に武豊騎手が騎乗し、その名が付けられたレースを勝利。父の背を知る唯一のジョッキーがその名前を挙げて、能力の高さを絶賛した。

 

 

 ワーケアは、まだ馬体の張りが物足りず、あくまで先を見据えた仕上げに見えた。道中はワーケアサトノフラッグの並びだったが、武豊騎手と仕掛けのタイミングの差が出た格好。ライバルに外から蓋をされ、先に抜け出されてしまった。ただ、ルメール騎手はトライアル仕様で無理をしても勝ちにいくという感じには見えず、その中で②着を確保し、賞金を加算できたのだから合格点といえる内容、結果だったのではないか。

 オーソリティはオルフェーヴル産駒でも落ち着きがあって気配も上々。結果的に、有力馬の中では、最も前でレースを進めた分、後続の目標になった格好。ただ、サトノフラッグに食い下がることはできず。これは現時点での力差なのだろうか。

 

                                 text by 京増 真臣

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・①着サトノフラッグは前走で1勝クラスを勝利。②着ワーケアは前走がGⅠレースで③着。上記の条件を満たしていた。新馬で2馬身差をつけて勝ったオーロアドーネは⑤着止まり。新馬組に関しては前走で2馬身半(0秒5)以上の着差で勝っている馬だけ狙うようにしたい。

〇ホープフルS組・・・今年はGⅠ昇格後、初めて同組から連対馬が出た、全体で見ると人気ほど走れていない点は否めないところ。来年以降も①着固定で買うのは避けた方が無難か。

 


 
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